中学受験の算数で解説を読んでもわからない原因は?理解につなげる6つの方法
中学受験の算数を勉強していると、解説を読んでも意味がわからない問題に出会います。
「式は書いてあるけれど、なぜその式になるのかわからない」
「解説を読んだ直後はわかった気がするのに、自分では解けない」
このような状態になるのは、考える力がないからではありません。解説と現在の理解との間に、埋めるべき段差があることが主な原因です。
その段差を見つけずに同じ解説を何度も読んでも、理解できないことがあります。大切なのは、わからない場所を小さく分け、必要な知識まで戻ることです。
目次
- 算数の解説を読んでもわからない5つの原因
- 解説を理解するための6つの方法
- わかったつもりを防ぐ確認方法
- 保護者が教えるときの注意点
- 質問した方がよい問題の見分け方
- まとめ
- よくある質問
中学受験の算数で解説を読んでもわからない5つの原因
解説が理解できないときは、子どもの努力不足と決めつけないことが大切です。原因によって必要な対応は異なります。
| 原因 | よくある状態 | 必要な対応 |
|---|---|---|
| 前提知識が不足している | 比や割合の意味が曖昧なまま速さを解いている | 単元をさかのぼって復習する |
| 解説の途中が省略されている | 式が急に変わったように見える | 途中式や図を補う |
| 問題の状況をつかめていない | 登場する数量の関係がわからない | 図・表・線分図に整理する |
| 読むだけになっている | 読んだ直後だけ理解した気になる | 手を動かして解説を再現する |
| 解説の方法が本人に合わない | 別解なら理解できる | 違う教材や先生の説明を試す |
前提知識が抜けている
算数の応用問題は、複数の基本事項を組み合わせて作られています。
たとえば、食塩水の問題では割合の理解が必要です。旅人算では速さの基本に加えて、時間差や距離の関係を整理する力が求められます。
土台となる知識が曖昧なままでは、丁寧な解説を読んでも理解できません。この場合は、目の前の問題に粘り続けるより、前の単元に戻る方が早く解決します。
解説が子ども向けの細かさになっていない
模範解答は、紙面の都合で途中の考え方を省いていることがあります。理解できる人には自然な一行でも、学習途中の子どもには大きな飛躍に見えます。
特に「したがって」「ここから」と書かれた直後に式が出てくる場合は、その間に隠れている考えを補う必要があります。
問題文の状況をイメージできていない
式の意味がわからないとき、原因が計算ではなく読解にあることも少なくありません。
誰が動いているのか、何が増減するのか、どの数量が同じなのかが整理できていなければ、解説の式と問題文がつながりません。
算数の解説を理解するための6つの方法
1.わからない最初の一行を特定する
解説全体を見て「全部わからない」と考えるのではなく、理解できるところまで一行ずつ確認します。
最初に意味がわからなくなった式や言葉に印をつけてください。質問するときも、「この問題がわかりません」ではなく、「なぜここで2人の速さを足すのかわかりません」と伝えられます。
わからない点を言葉にすること自体が、考えを整理する練習になります。
2.解説の途中式を自分で補う
式が急に変化している場合は、一つ前の式との間に途中式を入れます。
計算の途中だけでなく、「何を求めるための式か」も書くと理解しやすくなります。
- 2人が1分間に進む距離
- 全体から使った量を引いた残り
- 面積が等しくなる部分
このような短い言葉を式の横に書くと、数字だけを追う状態から抜け出せます。
3.図や表に置き換える
問題文と式が結びつかないときは、情報を図や表に整理します。
速さなら線分図やダイヤグラム、割合なら線分図や面積図、場合の数なら樹形図や表が役立ちます。問題集の図を見るだけでなく、自分で描くことが重要です。
上手な図を描く必要はありません。数量の関係が見えれば十分です。
4.一つ前の基本問題に戻る
応用問題の解説が理解できなければ、同じ単元の基本問題を解いてみます。
基本問題も解けないなら、応用問題に必要な道具がまだそろっていません。基本例題を確認し、何も見ずに解けるようになってから戻りましょう。
難しい問題に長時間向き合うことだけが努力ではありません。現在地を見極め、必要なところまで戻るのも大切な工夫です。
5.解説を閉じて自分で再現する
解説を読んで納得したら、そこで終わりにしないでください。一度解説を閉じ、最初から自分の手で解き直します。
途中で止まった場合は、理解したのではなく、解説の流れを一時的に追えていただけかもしれません。もう一度必要な部分だけを確認し、再び何も見ずに解きます。
自力で最後まで再現できて、初めて「理解した」と判断できます。
6.数字や条件が少し違う類題を解く
解説を再現できても、その手順を丸暗記しただけの可能性があります。そこで、数字や条件が少し違う類題を一問解きます。
類題でも同じ考え方を使えれば、理解が進んでいます。使うべき考え方を選べなければ、問題の特徴と解法がまだ結びついていません。
何問も続けて解く必要はありません。まず一問で確かめ、できなければ基本に戻る方が効率的です。
「わかったつもり」を防ぐ3つの確認方法
解説を理解できたかどうかは、子どもの「わかった」という返事だけでは判断できません。次の三つで確認できます。
- 解説を見ずに途中式を書ける
- なぜその式を使うのか言葉で説明できる
- 数字や条件が変わった類題を解ける
すべてできれば、かなり理解できています。
ただし、説明が上手にできなくても解ける子はいます。言葉に詰まったことだけで理解不足と決めず、図や式を使って説明できるかも見てください。
保護者が算数を教えるときの注意点
保護者が先に解き方をすべて説明すると、その場では早く終わります。しかし、子どもが自分で考える機会は減ります。
まずは次のように、考える範囲を小さくする質問をしてみてください。
- どの言葉の意味がわからない?
- ここまでの式は説明できる?
- 何を求めようとしている?
- 図にすると何がわかる?
- 似た基本問題はどこにある?
答えを教えるより、次に見るべき場所を示す方が、長い目で見ると自力で解く力につながります。
一方、親子で感情的になりやすい場合は、無理に家庭で解決する必要はありません。算数の内容ではなく、親子関係が原因で学習が止まることもあります。そのようなときは、塾や個別指導の先生に任せた方がよいでしょう。
先生に質問した方がよい問題の見分け方
すべての問題を一人で理解しようとすると、時間が足りなくなります。次の状態なら、早めに質問する方が効率的です。
- 基本事項を確認しても解説の一行目からわからない
- 30分ほど考えても進展がない
- 図や途中式を補っても式の意味がつながらない
- 何度解き直しても同じところで止まる
- 別解と模範解答のどちらを使うべきかわからない
質問する前には、自分が試したことと、わからない場所に印をつけておきます。先生も原因を判断しやすくなり、短い時間で的確な説明を受けられます。
理数館の個別指導でも、答えだけを伝えるのではなく、生徒がどこまで理解しているかを確認します。同じ不正解でも、問題文を読み違えたのか、図にできないのか、解法を知らないのかで指導内容は変わるからです。
まとめ
中学受験の算数で解説を読んでもわからないときは、能力の問題と決めつける必要はありません。
前提知識が不足している、途中の説明が省かれている、問題の状況を整理できていないなど、必ず何らかの原因があります。
わからない最初の一行を特定し、途中式や図を補い、必要なら基本問題まで戻りましょう。そのうえで、解説を見ずに解き直し、類題で理解を確かめます。
算数は、解説を読んだ回数ではなく、自分の頭と手を使って考え直した回数によって身につきます。すぐに答えを覚えるより、理解できない原因を一つずつ取り除くことが、応用力を育てる近道です。
よくある質問
Q1.算数の解説は何回読めばよいですか?
回数を決める必要はありません。二回読んでも同じ場所がわからなければ、読み続けるより、途中式を補う、図を描く、基本問題に戻るといった方法に切り替えましょう。
Q2.解説を写すだけでも効果はありますか?
丁寧に写すだけでは十分ではありません。式の意味を考えながら写し、写した後に解説を閉じて自分で再現することが大切です。式の横に「何を求めているか」を書くと理解しやすくなります。
Q3.難しい問題はどのくらい考えてから質問すべきですか?
一律の時間はありませんが、家庭学習では15分から30分を目安にするとよいでしょう。ただし、基本知識が抜けている場合は、長く考えても解決しません。試した方法とわからない場所を整理して質問してください。
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