中学受験の模試は受けすぎない|適切な回数と成績につながる復習法
「模試は受けられるだけ受けた方がよいのでしょうか」
中学受験を控えたご家庭から、よく受ける質問です。特に6年生になると、塾のテストに加えて、合格判定模試や学校別模試の案内も増えてきます。受けないと不安になり、予定を詰め込みたくなるのも無理はありません。
しかし、模試は多く受けるほど成績が上がるものではありません。模試の役割は、現在地を知り、次の学習内容を決めることです。受験後に十分な復習ができないほど受けているなら、回数を減らした方が学力は伸びやすくなります。
大切なのは受験回数ではなく、一つの模試から何を学ぶかです。
目次
- 中学受験の模試を受ける目的
- 模試を受けすぎると成績が伸びにくい理由
- 中学受験の模試は何回受ければよいか
- 受ける模試を選ぶ基準
- 模試の復習を得点力につなげる方法
- 偏差値や判定との向き合い方
- まとめ
- よくある質問
中学受験の模試を受ける目的
模試には、主に次の役割があります。
- 現在の学力を客観的に知る
- 志望校までの距離を確かめる
- 時間配分や問題を解く順番を練習する
- 本番に近い緊張感を経験する
- これから復習すべき単元を見つける
この中で最も大切なのは、復習すべき内容を見つけることです。
偏差値や合格判定を見るだけなら、模試を受けた効果の一部しか得られません。答案を見て、「なぜ取れなかったのか」「次に何を変えるのか」まで考えて、初めて日々の勉強につながります。
模試は健康診断に似ています。検査を何度受けても、生活を変えなければ状態は良くなりません。学力も同じで、測定と改善を一組にして考える必要があります。
模試を受けすぎると成績が伸びにくい理由
復習時間が足りなくなる
4科目の模試を丁寧に見直すには、かなりの時間がかかります。日曜日に模試を受け、平日は塾の宿題に追われ、次の週末にまた模試を受ける。この繰り返しになると、弱点が見つかっても手当てする時間がありません。
模試で見つかった苦手単元は、解説を読んで終わりではありません。基本に戻り、似た問題を自力で解けるところまで練習する必要があります。その時間を確保できない受験日程は、見直した方がよいでしょう。
通常学習が途切れる
模試は半日から一日を使います。移動や疲労も含めると、その日は普段の勉強がほとんどできないこともあります。
もちろん、本番形式の練習には価値があります。しかし、知識や解法がまだ身についていない段階では、模試より通常学習を優先した方が伸びる場合があります。実力を測る時間と、実力をつける時間のバランスが必要です。
結果に振り回されやすくなる
小学生にとって、毎週のように順位や偏差値を示される負担は小さくありません。結果が悪いたびに叱られたり、志望校を変える話をされたりすると、模試そのものを怖がるようになることもあります。
一回の模試には、出題単元との相性や当日の体調も影響します。結果を見る回数が増えるほど正確に判断できるとは限らず、かえって短期的な数字に振り回されることがあります。
中学受験の模試は何回受ければよいか
すべての子に当てはまる回数はありません。塾のカリキュラム、志望校、学習状況によって変わります。目安としては、次のように考えると無理がありません。
| 学年・時期 | 模試との付き合い方 | 優先したいこと |
|---|---|---|
| 4年生 | 塾の定期テストを中心にする | 学習習慣と基礎の定着 |
| 5年生 | 1〜2か月に1回程度を目安にする | 苦手単元の発見と復習 |
| 6年生前半 | 月1回程度を軸に考える | 志望校との差の確認 |
| 6年生後半 | 合格判定模試と必要な学校別模試に絞る | 本番形式への対応と弱点補強 |
塾で必修の模試が多い場合、外部模試まで追加する必要はないこともあります。反対に、小規模な塾や個別指導を利用していて母集団の中での位置がわかりにくい場合は、外部模試を定期的に利用する意味があります。
判断の基準は単純です。次の模試までに、前回の課題を一つでも改善できるかを考えます。改善する時間がないなら、受験間隔が短すぎる可能性があります。
受ける模試を選ぶ基準
模試ごとに受験者層や問題の難度は異なります。有名な模試を手当たり次第に受けるのではなく、目的に合うものを選びたいところです。
志望校の受験者が多いか
合格判定は、同じ学校を志望する受験生が一定数参加してこそ参考になります。志望校の判定データが充実している模試を優先しましょう。
問題の難度が合っているか
標準的な問題が多い学校を志望している子が、難問中心の模試ばかり受けても、必要以上に低い判定が出ることがあります。反対に、難関校を目指すなら、考える力や記述力を測れる模試も必要です。
模試の難しさではなく、志望校の入試問題との近さを見ることが大切です。
学校別模試を受ける意味があるか
学校別模試は、出題形式や受験者層が本番に近く、6年生後半には役立ちます。ただし、志望順位が低い学校まで複数受けると、復習が分散します。
第一志望や、出題に特徴のある学校を中心に絞るのが現実的です。
模試の復習を得点力につなげる方法
答案が返る前に感触を残す
模試を受けた当日か翌日に、科目ごとの感触を簡単に記録します。
- 時間が足りなかった科目
- 解く順番で迷った場面
- 知識が曖昧だった単元
- 緊張や集中力の変化
答案が返ってからでは忘れていることがあります。点数に表れない課題も、早めに残しておくと改善しやすくなります。
間違いを原因別に分ける
間違えた問題をすべて同じように解き直す必要はありません。原因を分けると、次の行動が明確になります。
| 間違いの原因 | 取り組むこと |
| 知識不足 | 教材やノートに戻って覚え直す |
| 解法を理解していない | 例題からやり直し、類題を解く |
| 条件の読み落とし | 問題文に印をつける方法を決める |
| 計算ミス | 途中式や見直し方を修正する |
| 時間不足 | 解く順番と一問に使う時間を見直す |
| 難しすぎた | 現時点では後回しにする |
点数を上げるには、「次は気をつける」ではなく、解き方や手順を具体的に変えることが必要です。
取るべき問題を優先する
正答率が高いのに落とした問題は、優先して復習します。一方、正答率が極端に低い難問は、志望校で必要かどうかを見て判断します。
模試の復習で目指すのは満点ではありません。次の試験で合格に必要な点数を取ることです。今の学力で取るべき問題に時間を使う方が、得点は安定します。
一週間後にもう一度解く
解説を読んだ直後は、理解したつもりになりやすいものです。一週間ほど空けて、何も見ずにもう一度解いてみましょう。
自力で解ければ、復習した内容が身につき始めています。解けなければ、理解や練習が足りていません。模試の直しは、答えを写す作業ではなく、時間を置いても再現できる状態を作ることです。
偏差値や合格判定との向き合い方
偏差値や合格判定は、志望校を考えるための資料です。ただし、一回の数字だけで受験校を決めるのは早すぎます。
見るべきなのは、数回の推移と答案の中身です。同じ偏差値でも、基礎問題の失点が多い子と、難問まで挑戦して時間が足りなかった子では、今後の対策が異なります。
保護者は、結果が悪かったときほど、すぐに叱らない方がよいでしょう。本人も結果を気にしています。最初に確認したいのは、点数ではなく、本人がどの問題を取れそうだったと考えているかです。
指導の現場でも、判定が悪かった模試をきっかけに、学習内容を絞って成績が上向く子はいます。悪い結果にも、次の勉強を具体的にするという価値があります。
まとめ|模試は受けた後の行動で価値が決まる
中学受験の模試は、現在地を知り、学習計画を修正するために受けるものです。回数を増やすこと自体が目的になってはいけません。
前回の模試を復習し、見つかった弱点を補い、次の模試で改善を確かめる。この流れを作れる間隔が、その子にとって適切な受験回数です。
模試の予定が多すぎると感じたら、すべてを受ける前に、それぞれの目的を確認してみてください。受けない週末に一つの苦手単元を克服する方が、合格に近づくこともあります。
理数館では、模試の点数だけでなく、答案や途中式を確認し、一人ひとりに必要な学習内容を整理しています。何を復習すればよいかわからない場合は、体験授業で現在の学習状況をご相談いただけます。
中学受験の模試に関するよくある質問
Q1. 模試を受けなかった月があっても大丈夫ですか?
大丈夫です。苦手単元の復習や塾のカリキュラムを優先した方がよい時期もあります。ただし、6年生では志望校までの距離を定期的に確認できるよう、年間の予定を早めに整理しておきましょう。
Q2. 模試の結果が悪かったら志望校を変えるべきですか?
一回の結果だけで変更する必要はありません。数回の推移、失点の原因、過去問との相性を合わせて判断します。志望校の変更を考える場合も、本人とよく話し、併願校まで含めて検討することが大切です。
Q3. 模試の解き直しは全問するべきですか?
全問する必要はありません。正答率が高い問題、理解すれば取れそうな問題、志望校でよく出る単元を優先します。今の段階では難しすぎる問題を後回しにすることも、限られた時間を有効に使うために必要です。
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