開成対策講座 第7講 問題1

算数解説|規則発見と条件整理

📋問題

1から100までの整数を書いたカードがあります。
この中から3の倍数をすべて取り除きます

残ったカードを小さい順に並べ、
1番目に「+」、2番目に「-」、3番目に「+」、4番目に「-」、
というように、順に符号をつけて計算します。

求めた結果を求めなさい。

答え
67

📖通常解説

① まず「残るカード」を確認しよう

1から100の整数のうち、3の倍数を除いた数が残ります。
3の倍数でない数とは、3で割ったときに余りが 1か2になる数 です。

✔ 余りが1の数:1, 4, 7, 10, 13, …, 97, 100 → 34個

✔ 余りが2の数:2, 5, 8, 11, 14, …, 95, 98 → 33個

✔ 残るカードの合計:34+33=67個

なぜ34個と33個になるの?
余り1の数は 1, 4, 7, … と3つおきに並びます。
100 ÷ 3 = 33 余り 1 なので、1から100の中には余りが1の数が 34個(1から始まり100で終わる)。
余りが2の数は 2, 5, 8, … 最後は98(100より小さい)、こちらは 33個

② 残ったカードを並べてみよう

残ったカードを小さい順に並べると:

1, 2, 4, 5, 7, 8, 10, 11, 13, 14, …

気づいた? 「余り1の数、余り2の数」が 2枚ペア になって並んでいます。
例えば:(1, 2)、(4, 5)、(7, 8)、(10, 11)、… というペアです。

③ 符号をあてはめてみよう

1番目→+、2番目→-、3番目→+、4番目→-、… と符号がつきます。

ペア 1枚目 符号 2枚目 符号 計算 結果
1組目1(1番目)2(2番目)+1 − 2−1
2組目4(3番目)5(4番目)+4 − 5−1
3組目7(5番目)8(6番目)+7 − 8−1
−1
33組目97(65番目)98(66番目)+97 − 98−1
最後100(67番目)+100+100

④ なぜいつも「−1」になるの?

ペアの2つの数を見てください。
(1, 2)、(4, 5)、(7, 8)、… どのペアも差がちょうど1です。
そして「小さい方+、大きい方-」という形なので:

(小さい数)-(大きい数)=(小さい数)-(小さい数+1)= −1

どのペアも「隣り合う2つの整数」なので、必ず差は1。だから結果は常に −1 になります。

⑤ ペアは何組あるの?

残り67枚のカードを2枚ずつペアにすると…

67 ÷ 2 = 33ペア 余り 1枚

33ペア + 余り1枚(100のカード)

残った1枚は何番目でしょう? 67番目です。
67は奇数なので、符号は がつきます。

⑥ 最後の計算

(−1)× 33 + 100 = −33 + 100 = 67
答え
67

🧠初見での考え方

開成受験生の実況思考
1
「3の倍数を除く」→ 余りで分類する
1から100の整数を3で割ると余りは0, 1, 2の3種類。「除く」のは余り0(3の倍数)だけ。残るのは「余り1」と「余り2」の2グループ。
2
残った数を並べると「ペア」に見える
余り1 → 余り2 → (余り0は飛ばす)→ 余り1 → 余り2 → … という繰り返し。つまり残ったカードは「2つセット」で出てくる!
3
符号もペアで考える:+- の繰り返し
符号は「+-+-…」の交互。ペア2枚で見ると必ず「+の数 − 次の数」。
4
ペアの差を計算する
各ペアは連続する2整数(例:4と5)。差は必ず1。「小さい方+、大きい方-」なので各ペアは −1。
5
ペアの個数 × (−1)+ 端数
67枚 ÷ 2 = 33ペア余り1枚。余り1枚(100)は奇数番目なので符号+。
−33 + 100 = 67。

注目すべき条件の順番: 「3の倍数を除く」→ 余りで分類 →「残りを並べるとパターンが見える」→「符号もパターン」→「2つまとめて計算」という流れです。

💡なぜその方針を選ぶのか

「1つずつ計算」では絶対ダメな理由

67枚を全部足し引きしようとすると、計算量が膨大で時間がかかります。
入試本番は時間との戦い。1つずつ計算する方法を選んだ時点で「負け筋」です。

「ペアで見る」が有効な理由

✔ 数の並びが「余り1 → 余り2 → (余り0を飛ばす)」の繰り返し

✔ 符号が「+ → − → + → −」の繰り返し

✔ 2つのパターンが「2枚単位」でちょうど重なる!

2つのパターンが同じ周期で繰り返す ときは、その周期ごとにまとめて考えるのが定石です。
これが「ペアで見る」という方針を選ぶ理由です。

「差が一定」に気づくことが本質

各ペアの2つの数の差はいつも1です。
これは「3で割ると余り1の数と余り2の数は、同じかたまりの中で連続している」からです。
この 差の一定性 があるから、全ペアの結果が同じ(−1)になります。

なぜ端数(100)を別扱いするのか

67枚は奇数なので、ペアで割ると必ず1枚余ります。
「ペア+1枚」という構造を見落とすと、計算がずれます。
合計枚数が奇数か偶数か の確認は必ずやるべきです。

⚠️典型ミス

❌ ミス1:残るカードの枚数を間違える

「3の倍数を除いた数は 100 ÷ 3 ≒ 33個」と大雑把に計算して67個でなく66個や68個にしてしまう。

なぜ起こるか:余り1の数が34個・余り2の数が33個という非対称性に気づかないため。100が余り1であることを見落とす。
❌ ミス2:ペアを「連続2整数」と気づかない

残った数を書き出しても「(1,2)、(4,5)、(7,8)…」が連続整数のペアになっていることに気づかず、全部バラバラに足し引きしようとする。

なぜ起こるか:数のグループ(余りで分類)と符号のパターン(+-交互)を別々に見てしまい、「2つが同時に2周期で動いている」という視点がないから。
❌ ミス3:端数の100を忘れる・符号を間違える

67枚のうち最後の1枚(100)は単独。これを忘れるか、「符号は何番目?」の確認を怠って「−」をつけてしまう。

なぜ起こるか:ペアの計算に集中しすぎて「奇数枚のとき最後が余る」という意識が薄れるため。枚数の確認(67が奇数)を先にやれば防げる。
❌ ミス4:ペアの符号の向きを逆にする

「+ 小さい数 − 大きい数」が正しいのに「− 小さい数 + 大きい数」と逆にして、−1でなく+1とする。

なぜ起こるか:「1番目が+」という確認を怠るから。ペアの中で奇数番目(小さい方)に必ず+がつく、と正確に整理できていない。
❌ ミス5:最初から全部書き出そうとして時間切れ

パターンに気づかず、67個の数をすべて書いて+-をひとつひとつ計算しようとする。

なぜ起こるか:「規則を見つけてから計算する」という習慣がなく、「とりあえず数を並べる」思考になるから。

🔄別解

別解①:全体の和から引く方法(重いので非推奨)

「全部を足したもの」と「マイナスがついた数の2倍の和」を使う方法もあります。
しかし符号のつき方が複雑で計算量が増えるため、本番では非推奨です。

別解②:グループ3つに分けて考える

1〜99を「3つ連続グループ」(3k+1, 3k+2, 3k+3) で見ます。
k=0, 1, …, 32 で33グループ。各グループで3の倍数(3k+3)を除くと、残る2枚が(3k+1, 3k+2)。
この2枚のうち小さい方に+、大きい方に-がつくのでグループごとに −1。
33グループ × (−1) = −33、最後に100(単独・+)を加えて 67。

→ 本解説の方針と本質は同じ。見方の切り口が違うだけ。

本番でおすすめの解法

「余りで分類 → ペアの差に注目 → ペア数×(−1)+端数」 の流れが最速かつミスが少ない。
式が単純で検算しやすく、5分以内に解ける。本番ではこの方針一択。

🏆開成で差がつくポイント

「条件を整理して規則を発見し、計算量を最小にする力」
開成は「全部計算する根性」でなく「計算しなくて済む道を探す頭」を見ています。

問題を見た瞬間に「3で割った余り」で分類する。→ ペア構造に気づく。→ 差が一定なら全部同じ。→ ペア数だけ数えて終わり。思考の手順が短い。

「残るカードを全部書き出す」段階で止まる。または書き出してもパターンに気づかず全計算に突入し、時間切れ・計算ミスで失点する。

「2つのパターンを同時に見る」こと。
数の並びパターンと符号のパターンが同じ周期(2つ単位)で動いている。
この 「2つのパターンの重なり」 に気づいた瞬間に問題が解けます。

📚この問題から学ぶべきこと

この問題の本質

「大量の計算をいかにまとめて処理するか」が問われています。
キーワードは 「周期」「ペア」「差の一定性」 の3つ。

他の問題への応用

  • 符号が交互につく計算 → 2つセットで見て差を取る
  • 規則的に並ぶ数の和 → グループ化して1グループの和 × グループ数
  • 「除く」条件がある数列 → 余りで分類してパターンを探す
  • 奇数番目・偶数番目で違う扱い → ペアにして処理する

今後どう活かすか

「計算量が多そう」と感じたら、すぐに「まとめられないか?」と問い直す癖をつけること。
「差が一定」「周期が同じ」「ペアにすると打ち消せる」の3つの視点は、
算数の規則問題全般で何度も登場します。今日覚えた型を次の問題でも使いましょう。

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