📘問題
問題4
A、B、C、D、E、F の6人が横1列に並びます。
ただし、
・AとBは隣り合う
・CとDは隣り合わない
・EはFより左
とします。
並び方は全部で何通りありますか。
📗通常解説
3つの条件を整理する
→「ブロック化」で処理
→「引き算」で処理
→「÷2」で処理(最後に)
【解く順番】
① 条件①「AとBをひとかたまりにする」→ 5つを並べる
② 条件②「CとDが隣り合う場合」を計算して引き算する
③ 条件③「EはFより左」で最後に÷2する
※「÷2」は引き算が終わった後にまとめて1回だけ行うのがポイントです。
STEP 1:AとBをひとかたまりにする(ブロック化)
「AとBは必ず隣り合う」ので、AとBを1つのブロック「AB」として扱います。 すると6人が【AB】C D E F の5つのかたまりになります。
STEP 2:「CとDが隣り合う場合」を引き算で引く
「CとDが隣り合わない」を直接数えるのは大変です。そこで引き算の発想を使います。
CとDが隣り合わない場合 = 全体(240)− CとDが隣り合う場合
「CとDも隣り合う場合」を数えます。AとBを【AB】ブロック、CとDを【CD】ブロックにまとめると、 全体は【AB】【CD】E F の4つのかたまりになります。
引き算して「CとDが隣り合わない場合」を求める:
240 − 96 = 144 通り ← 条件①②を満たす並び方の数STEP 3:「EはFより左」で最後に÷2する
残り144通りの中に、「EがFより左」と「FがEより左」がちょうど半分ずつ含まれています。 条件③「EはFより左」を満たすものだけを選ぶと:
なぜ÷2できるのか?
どんな並び方でも、EとFを入れ替えた並び方が必ず1つ対応します。 そのペアのうち「EがFの左にある方」だけを選ぶので、ちょうど半分になります。
144 ÷ 2 = 72 通り ← 条件①②③をすべて満たす並び方の数全ステップの一覧
| ステップ | 操作 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|---|
| ① | ABを1ブロック化 → 5つを並べる | 5×4×3×2×1 | 120 |
| ② | ABブロック内を入れ替え(×2) | 120 × 2 | 240 |
| ③ | CDも隣り合う場合を計算(引く数) | 4! × 2 × 2 | 96 |
| ④ | CとDが隣り合わない場合(引き算) | 240 − 96 | 144 |
| ⑤ | EはFより左(÷2) | 144 ÷ 2 | 72 |
🧠初見での考え方
開成受験生がこの問題を初めて見たとき、頭の中でどう動くかを実況します。
「6人が横1列」「条件が3つ」→ 場合の数の問題。まず3つの条件の種類を確認する。
条件① 「隣り合う」→ ブロック化(ひとかたまり作戦)
条件② 「隣り合わない」→ 引き算(全体から隣り合う場合を引く)
条件③ 「EはFより左」→ ÷2(対称性の利用)
道具が決まれば、あとは順番だけ。
「ブロック化」→「引き算」→「÷2」の順番で処理する。
なぜ÷2を最後にするか? 引き算の両側(全体と、引く数)が同じ土台で計算されていれば、 最後に1回÷2するだけで済むから。先に÷2してしまうと引き算のたびに個別に÷2が必要になって面倒。
ABを1つにまとめると5個。5! × 2 = 240。ここまでは迷わず書く。
「CとDが隣り合う場合」→ CDもブロックにすれば【AB】【CD】EFの4つ。 4! × 2(AB内)× 2(CD内)= 96。
240 − 96 = 144。条件①②完了。
144通りの中でEとFの位置関係は対称 → ÷2。
144 ÷ 2 = 72通り。完成。
条件の種類と道具の対応表
| 条件の種類 | 使う道具 | タイミング |
|---|---|---|
| 「○と○は隣り合う」 | ブロック化(×2も忘れずに) | 最初 |
| 「○と○は隣り合わない」 | 引き算(隣り合う場合を引く) | ブロック化の後 |
| 「○は△より左(右・前・後)」 | ÷2(対称性) | 最後 |
注目すべき条件チェックリスト
🔍なぜその方針を選ぶのか
「ブロック化」はなぜ有効か
「AとBは隣り合う」を直接扱おうとすると、 「AとBが1番目と2番目」「2番目と3番目」……と全位置を列挙しなければなりません。非常に面倒です。
ブロック化すると「ブロックがどこに入るか」と 「ブロック内の順番」を分けて考えられるため、 計算がシンプルになります。
「引き算」はなぜ有効か
「CとDが隣り合わない場合」を直接数えようとすると、 CとDが離れた位置の組み合わせをすべて数え上げる必要があり、 抜け漏れが出やすく非常に複雑になります。
一方「CとDが隣り合う場合」は、CDをブロック化すれば一発で計算できます。 「数えにくい方」を「数えやすい方(引く数)」に置き換えるのが引き算の発想です。
「÷2」はなぜ最後にまとめて行うのか
EとFの左右関係は、どんな並び方でも必ず「E<F」か「F<E」かのペアで存在します。 これは引き算の前後でも変わらない対称性です。
だから、引き算で「CとDが隣り合わない」場合を出した後の144通りに対して、 まとめて1回だけ÷2すれば済みます。
もし先に÷2してしまうと(120通りから引き算しようとすると)、 「引く数96」も÷2して48にしてから引く必要があり、 計算の流れが煩雑になってミスが増えます。 「÷2は最後に1回」が鉄則です。
⚠️典型ミス
この問題で受験生がはまりやすい落とし穴を、「なぜそのミスが起こるか」まで含めて解説します。
ABを1ブロックにまとめた後、5つのかたまりを並べて「5! = 120通り」で止めてしまうミスです。
「AB」と「BA」の2通りがあることを忘れると、答えがすべて半分になります。
誤:120 − 24 = 96 → ÷2 = 48 通り(×2を忘れた場合) 正:240 − 96 = 144 → ÷2 = 72 通り「CとDが隣り合う場合」を計算するとき、CDブロックの内部(CDとDCの2通り)を忘れて4! × 2 = 48で止めてしまうミスです。
誤:4! × 2(ABのみ)= 48 → 240 − 48 = 192 → ÷2 = 96 通り 正:4! × 2 × 2(AB・CD両方)= 96 → 240 − 96 = 144 → ÷2 = 72 通り「EとFが入る位置を先に決めてから残りを並べる」という複雑な場合分けをしようとするミスです。たとえば「Eが1番目のとき、Fは2〜6番目の5通り……」と列挙し始めてしまいます。
これでも答えは出ますが、計算量が大幅に増え、抜け漏れも起きやすくなります。
「ABブロック化 → ÷2 → 引き算」という順で処理してしまうミスです。
誤の流れ:240 ÷ 2 = 120 → 120 − 48 = 72 通りこの場合、「引く数(CDが隣り合う場合)」も÷2した48を使っていればたまたま正解になりますが、÷2前の96を引いてしまうと:
誤:120 − 96 = 24 通り(÷2のタイミングが混乱した場合)「CとDが隣り合わない場所の組み合わせ」を最初から列挙しようとするミスです。たとえば「Cが1番目のときDは3〜6番目……」と場合分けを始め、途中で収拾がつかなくなります。
3つの条件のうち1つをうっかり処理し忘れるミスです。特に「EはFより左」という条件③は「並び方の制限」ではなく「順序の指定」なので見落としやすいです。
条件③を忘れた場合:240 − 96 = 144 通り(÷2を忘れて提出)🔄別解
条件③を最初に処理する方法
EとFの位置を先に固定します。6か所からEとFの2か所を選んで、EがFの左に来る場合の数は:
※ 6か所から2か所を選ぶ組み合わせ。「どちらが左か」はE固定なので÷2。
「ABが隣り合う」のうち「CDも隣り合う」を引く
12 − 8 = 4 通り※ この方法は「EとFの位置」と「ABCD4人の並び方」が独立していないため、計算が複雑になりやすくミスが増えます。本番では通常解法(引き算→÷2)が安全です。
CとDの位置を直接場合分けする方法
ABを1ブロックにした後、【AB】C D E Fの5つを並べる場面で「CとDが隣り合わない並び方の数」を直接求めます。
→ 通常解法と同じ流れ。これが最もシンプルで本番向きです。
【3つの道具の速攻チェック】
「隣り合う」を見たら → ブロック化+×2
「隣り合わない」を見たら → 引き算(隣り合う場合を引く)
「○は△より左(右)」を見たら → 最後に÷2
⚡開成で差がつくポイント
この問題で本当に見られている力
表面上は「6人の並び方を数える計算問題」ですが、開成が本当に見ているのは 「3つの条件を正しい道具と正しい順番で処理できるか」です。
条件の種類(隣り合う/隣り合わない/左右の順)をひと目で見分け、 対応する道具(ブロック化/引き算/÷2)を迷わず選べるかどうかが問われています。
特に「÷2を最後に1回まとめて行う」という処理順序の判断力が 合否を分けます。これは「なぜそうするか」を理解していないと、別の問題では使えません。
合格者 vs 不合格者の分かれ目
問題を読んだら条件を3つ書き出してから道具を決める
「ブロック化→引き算→÷2」の順番を迷わず選べる
ブロックを作るたびに×2(内部入れ替え)を自動で行う
÷2を最後に1回まとめて行う理由を説明できる
計算後に「条件を全部使ったか」を確認する
条件を整理せず感覚で計算を始める
ブロック内の×2を1つ以上忘れる
÷2を最初にやってしまい引き算で混乱する
「隣り合わない」を直接数えようとして手が止まる
条件③「EはFより左」を処理し忘れて提出する
開成特有の思考ポイント
📌この問題から学ぶべきこと
この問題の本質は「場合の数の3大条件を正しい道具と順番で処理する」力の習得です。
「隣り合う→ブロック化」「隣り合わない→引き算」「左右の順→÷2」という3つのパターンは、 中学受験の場合の数問題で繰り返し登場します。 この問題でそれを1問に凝縮して練習できる、非常に質の高い良問です。
応用① 「男女が交互に並ぶ」「特定の人が両端に来る」など別の条件が加わっても、 条件を道具に変換してから順番に処理する流れは同じ。
応用② 「円形に並べる」問題でも「隣り合わない→引き算」の発想は使える。 ブロック化と引き算の考え方は円順列でも変わらない。
応用③ 「AはBより前(上・多い)」という大小関係の条件は、 すべて「÷2(対称性)」で処理できる。個数が2でなく3以上になれば÷6など。
この問題を終えたら、次の3つを自分でできるか確認してください。
📝 この問題で身につけた思考の武器
武器①「隣り合う」→ ブロック化+必ず×2(内部入れ替え)
武器②「隣り合わない」→ 引き算(隣り合う場合をブロック化して引く)
武器③「左右の順序指定」→ 最後に÷2(対称性の利用)
武器④処理の順番は「ブロック化 → 引き算 → ÷2」
武器⑤計算後は「条件を全部使ったか」を必ず確認する
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