カードで2桁の整数を作る問題
「場合の数」の基本と思考法
📋 問題
問題1
1、2、3、4、5 の5枚のカードがあります。
この中から2枚を選んで並べ、2桁の整数を作ります。
ただし、偶数となる整数は全部で何個ありますか。
黄色のカード=偶数(2・4) 青のカード=奇数(1・3・5)
📖 通常解説
まず「偶数」の条件を確認する
「偶数」とは、一の位(右端の数字)が 0・2・4・6・8 のどれかである数のことです。 このカードの中で偶数に使えるカードは 2 と 4 の2枚だけです。
つまり、「作った2桁の数が偶数になる」 = 「一の位に 2 または 4 を置く」ということです。 これが解き方の出発点です。
「一の位」を先に固定してから「十の位」を考える
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一の位が「2」のとき
十の位には、2以外の残り4枚(1・3・4・5)のどれかが入ります。
→ 4通り12 32 42 52 -
一の位が「4」のとき
十の位には、4以外の残り4枚(1・2・3・5)のどれかが入ります。
→ 4通り14 24 34 54 -
合計する4通り + 4通り = 8個
全部の整数を書いて確かめよう
作れる偶数を全部並べると、次の8個です(漏れ・重なりがないか確認):
確かに8個、全て偶数で、重なりも漏れもありません。
🧠 初見での考え方(思考実況)
開成受験生が本番でこの問題を見たとき、頭の中でどう動くかを実況します。
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「偶数」という条件を見た瞬間、一の位に注目する
偶数・奇数の判定は「一の位だけ」で決まります。 十の位が何であっても、一の位が偶数なら偶数、奇数なら奇数です。 これは場合の数問題の基本知識として即座に使える必要があります。
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「偶数のカード」と「奇数のカード」に分類する
5枚のカードを偶数と奇数に分ける。偶数は 2・4 の2枚、奇数は 1・3・5 の3枚。 この分類が、「条件を持つ方(一の位)を先に決める」ための準備です。
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「一の位を先に固定してから十の位を数える」という方針を立てる
条件のある場所(一の位)から先に埋めていくのが場合の数の鉄則です。 一の位が2のとき・4のときで場合分けし、それぞれ十の位の選び方を数えます。
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小さい問題なら全列挙して確認する
カードが5枚しかないので、作れる偶数を全部書き出して確認できます。 10個以下の小さな問題では、最終確認として全列挙するクセをつけておくと安心です。
💡 なぜその方針を選ぶのか
「十の位から先に決める」ではなぜ難しいか?
十の位から先に決めると、「残りのカードの中に偶数があるかどうか」を 毎回考えなければなりません。
例えば十の位が「2」のとき → 一の位に使えるのは 1・3・4・5 → 偶数は4だけ → 1通り
十の位が「4」のとき → 一の位に使えるのは 1・2・3・5 → 偶数は2だけ → 1通り
十の位が「1」のとき → 一の位に使えるのは 2・3・4・5 → 偶数は2と4 → 2通り
…と5パターン全て計算する必要があり、計算量が増えてミスしやすくなります。
「条件のある位から先に決める」のはなぜ有効か?
「偶数になる」という条件は一の位にかかっています。 条件が決まっている場所を先に埋めると、残りは「何でも入れていい」になるので、 計算がシンプルになります。
これは場合の数全般に使える「条件のある場所から先に決める」という原則です。
なぜ「一の位が2のとき4通り」になるのか?
一の位に2を使ったあと、十の位には「2以外のカード4枚(1・3・4・5)」が使えます。 同じカードを2枚使えないので、使ったカードは除外します。 これが「残り4枚=4通り」の理由です。
5枚 − 一の位に使った1枚 = 4通り⚠️ 典型ミス
「22」「44」のように、同じ数のカードを十の位・一の位の両方に使ってしまう。 実際には同じカードは1枚しかないので、これは作れません。
偶数という条件を「十の位も偶数のもの」と勘違いして、 12・14・24・32・34・42・52・54の8個ではなく、 「12・24・42・24…」などと混乱した数え方をしてしまう。
2桁の整数は全部で 5×4=20個できる。そのうち偶数は半分だから10個、と誤答する。
偶数の条件として 0・2・4・6・8 を全て列挙して考え始め、 「0のカードはない」「6のカードはない」「8のカードはない」と一つずつ確認して混乱する。
樹形図を書き始めたのに、途中で「もうだいたいわかった」とやめてしまい、 いくつかのパターンを見落として7個や6個と答えてしまう。
🔄 別解・全列挙法・樹形図
【別解①】樹形図で全パターンを確認する
一の位を先に固定して樹形図を描くと、漏れなく数えられます。
【別解②】「かけ算の考え方」で素早く計算する
場合の数の問題では、「AとB、それぞれの選び方が独立している(互いに影響しない)」ならば、 かけ算で求められます。
一の位の選び方:2通り(2か4)
十の位の選び方:4通り(使った1枚を除いた残り)
2通り × 4通り = 8個※「一の位が2のとき十の位4通り、一の位が4のとき十の位4通り」と毎回同じ4通りになるので、かけ算が使えます。
本番おすすめ この「かけ算の考え方」は最速です。ただし「毎回同じ通り数になる」ことを確認してから使いましょう。
・場合分けして足す:一の位2のとき4通り、4のとき4通り → 4+4=8。最も確実で根拠が明確。
・樹形図:漏れ・重なりが出ないので、不安なときの確認に最適。
・かけ算:速くて便利。「毎回同じ通り数」のときだけ使える。
🏆 開成で差がつくポイント
「偶数の定義」と「条件のある位から先に決める」という2つの知識を、 迷わず組み合わせて使える力が見られています。 計算の難しさではなく、整理の速さと正確さが評価されます。
① 「偶数 → 一の位が2か4」と即座に判断する。 ② 一の位を先に固定して場合分けする。 ③ 「2通り × 4通り = 8個」または「4+4=8個」を根拠付きで書く。 ④ 念のため全8個を書き出して確認する(所要時間30秒以内)。
「偶数の条件」が一の位だけにかかることを知らなかったり、 十の位から数えようとして計算が複雑になったりします。 また、「全部で20個作れる、半分が偶数だから10個」という 根拠なき半分発想でミスするケースも多いです。
この問題は「場合の数」の入門ですが、開成ではこのまま発展します。 「3桁の偶数は?」「5の倍数は?」「3の倍数は?」「各位の数字の和が特定の値のものは?」 など、条件が複雑になっても「条件のある場所から先に決める」という方針は変わりません。 基本問題でこの方針を体で覚えておくことが、発展問題を速く解く力に直結します。
📚 この問題から学ぶべきこと
- 「偶数・奇数は一の位だけで決まる」という知識を、問題を解く武器として使えるようにすること。
- 「条件のある場所から先に決める」という場合の数の基本方針を身につけること。
- 数え方の選択肢(場合分け・樹形図・かけ算)を状況に応じて使い分けられること。
- 5の倍数を作る問題:一の位が5のカード→十の位4通り → 4個(5のみ、0はない)
- 3桁の偶数を作る問題:一の位(偶数カード2通り)→ 百の位(残り4通り)→ 十の位(残り3通り)→ 2×4×3=24個
- 倍数の問題(3の倍数):各位の数字の和が3の倍数になる組み合わせを先に探す → 組み合わせが決まったら並べ方を数える、という2段階の発想が必要
- 場合の数の問題では必ず「どこに条件があるか」を最初に確認する。
- 「条件のある場所から先に決める」を反射的に使えるように練習する。
- 答えを出したら、小さい問題なら全列挙して確認する習慣をつける。
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