問題
1から100までの整数を書いたカードがあります。
この中から3の倍数をすべて取り除きます。
残ったカードを小さい順に並べ、
1番目に「+」、2番目に「-」、3番目に「+」、4番目に「-」、
というように、順に符号をつけて計算します。
求めた結果を求めなさい。
通常解説
① まず「残るカード」を確認しよう
1から100の整数のうち、3の倍数を除いた数が残ります。
3の倍数でない数とは、3で割ったときに余りが 1か2になる数 です。
✔ 余りが1の数:1, 4, 7, 10, 13, …, 97, 100 → 34個
✔ 余りが2の数:2, 5, 8, 11, 14, …, 95, 98 → 33個
✔ 残るカードの合計:34+33=67個
なぜ34個と33個になるの?
余り1の数は 1, 4, 7, … と3つおきに並びます。
100 ÷ 3 = 33 余り 1 なので、1から100の中には余りが1の数が 34個(1から始まり100で終わる)。
余りが2の数は 2, 5, 8, … 最後は98(100より小さい)、こちらは 33個。
② 残ったカードを並べてみよう
残ったカードを小さい順に並べると:
気づいた? 「余り1の数、余り2の数」が 2枚ペア になって並んでいます。
例えば:(1, 2)、(4, 5)、(7, 8)、(10, 11)、… というペアです。
③ 符号をあてはめてみよう
1番目→+、2番目→-、3番目→+、4番目→-、… と符号がつきます。
| ペア | 1枚目 | 符号 | 2枚目 | 符号 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1組目 | 1(1番目) | + | 2(2番目) | - | +1 − 2 | −1 |
| 2組目 | 4(3番目) | + | 5(4番目) | - | +4 − 5 | −1 |
| 3組目 | 7(5番目) | + | 8(6番目) | - | +7 − 8 | −1 |
| … | … | … | … | … | … | −1 |
| 33組目 | 97(65番目) | + | 98(66番目) | - | +97 − 98 | −1 |
| 最後 | 100(67番目) | + | − | − | +100 | +100 |
④ なぜいつも「−1」になるの?
ペアの2つの数を見てください。
(1, 2)、(4, 5)、(7, 8)、… どのペアも差がちょうど1です。
そして「小さい方+、大きい方-」という形なので:
どのペアも「隣り合う2つの整数」なので、必ず差は1。だから結果は常に −1 になります。
⑤ ペアは何組あるの?
残り67枚のカードを2枚ずつペアにすると…
67 ÷ 2 = 33ペア 余り 1枚
33ペア + 余り1枚(100のカード)
残った1枚は何番目でしょう? 67番目です。
67は奇数なので、符号は + がつきます。
⑥ 最後の計算
初見での考え方
1から100の整数を3で割ると余りは0, 1, 2の3種類。「除く」のは余り0(3の倍数)だけ。残るのは「余り1」と「余り2」の2グループ。
余り1 → 余り2 → (余り0は飛ばす)→ 余り1 → 余り2 → … という繰り返し。つまり残ったカードは「2つセット」で出てくる!
符号は「+-+-…」の交互。ペア2枚で見ると必ず「+の数 − 次の数」。
各ペアは連続する2整数(例:4と5)。差は必ず1。「小さい方+、大きい方-」なので各ペアは −1。
67枚 ÷ 2 = 33ペア余り1枚。余り1枚(100)は奇数番目なので符号+。
−33 + 100 = 67。
注目すべき条件の順番: 「3の倍数を除く」→ 余りで分類 →「残りを並べるとパターンが見える」→「符号もパターン」→「2つまとめて計算」という流れです。
なぜその方針を選ぶのか
「1つずつ計算」では絶対ダメな理由
67枚を全部足し引きしようとすると、計算量が膨大で時間がかかります。
入試本番は時間との戦い。1つずつ計算する方法を選んだ時点で「負け筋」です。
「ペアで見る」が有効な理由
✔ 数の並びが「余り1 → 余り2 → (余り0を飛ばす)」の繰り返し
✔ 符号が「+ → − → + → −」の繰り返し
✔ 2つのパターンが「2枚単位」でちょうど重なる!
2つのパターンが同じ周期で繰り返す ときは、その周期ごとにまとめて考えるのが定石です。
これが「ペアで見る」という方針を選ぶ理由です。
「差が一定」に気づくことが本質
各ペアの2つの数の差はいつも1です。
これは「3で割ると余り1の数と余り2の数は、同じかたまりの中で連続している」からです。
この 差の一定性 があるから、全ペアの結果が同じ(−1)になります。
なぜ端数(100)を別扱いするのか
67枚は奇数なので、ペアで割ると必ず1枚余ります。
「ペア+1枚」という構造を見落とすと、計算がずれます。
合計枚数が奇数か偶数か の確認は必ずやるべきです。
典型ミス
「3の倍数を除いた数は 100 ÷ 3 ≒ 33個」と大雑把に計算して67個でなく66個や68個にしてしまう。
残った数を書き出しても「(1,2)、(4,5)、(7,8)…」が連続整数のペアになっていることに気づかず、全部バラバラに足し引きしようとする。
67枚のうち最後の1枚(100)は単独。これを忘れるか、「符号は何番目?」の確認を怠って「−」をつけてしまう。
「+ 小さい数 − 大きい数」が正しいのに「− 小さい数 + 大きい数」と逆にして、−1でなく+1とする。
パターンに気づかず、67個の数をすべて書いて+-をひとつひとつ計算しようとする。
別解
別解①:全体の和から引く方法(重いので非推奨)
「全部を足したもの」と「マイナスがついた数の2倍の和」を使う方法もあります。
しかし符号のつき方が複雑で計算量が増えるため、本番では非推奨です。
別解②:グループ3つに分けて考える
1〜99を「3つ連続グループ」(3k+1, 3k+2, 3k+3) で見ます。
k=0, 1, …, 32 で33グループ。各グループで3の倍数(3k+3)を除くと、残る2枚が(3k+1, 3k+2)。
この2枚のうち小さい方に+、大きい方に-がつくのでグループごとに −1。
33グループ × (−1) = −33、最後に100(単独・+)を加えて 67。
→ 本解説の方針と本質は同じ。見方の切り口が違うだけ。
本番でおすすめの解法
「余りで分類 → ペアの差に注目 → ペア数×(−1)+端数」 の流れが最速かつミスが少ない。
式が単純で検算しやすく、5分以内に解ける。本番ではこの方針一択。
開成で差がつくポイント
「条件を整理して規則を発見し、計算量を最小にする力」
開成は「全部計算する根性」でなく「計算しなくて済む道を探す頭」を見ています。
問題を見た瞬間に「3で割った余り」で分類する。→ ペア構造に気づく。→ 差が一定なら全部同じ。→ ペア数だけ数えて終わり。思考の手順が短い。
「残るカードを全部書き出す」段階で止まる。または書き出してもパターンに気づかず全計算に突入し、時間切れ・計算ミスで失点する。
「2つのパターンを同時に見る」こと。
数の並びパターンと符号のパターンが同じ周期(2つ単位)で動いている。
この 「2つのパターンの重なり」 に気づいた瞬間に問題が解けます。
この問題から学ぶべきこと
この問題の本質
「大量の計算をいかにまとめて処理するか」が問われています。
キーワードは 「周期」「ペア」「差の一定性」 の3つ。
他の問題への応用
- 符号が交互につく計算 → 2つセットで見て差を取る
- 規則的に並ぶ数の和 → グループ化して1グループの和 × グループ数
- 「除く」条件がある数列 → 余りで分類してパターンを探す
- 奇数番目・偶数番目で違う扱い → ペアにして処理する
今後どう活かすか
「計算量が多そう」と感じたら、すぐに「まとめられないか?」と問い直す癖をつけること。
「差が一定」「周期が同じ」「ペアにすると打ち消せる」の3つの視点は、
算数の規則問題全般で何度も登場します。今日覚えた型を次の問題でも使いましょう。
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