大学受験に向けて勉強を始めようと思っても、「何から手をつければよいのかわからない」と悩む受験生は少なくありません。
とりあえず参考書を買ったものの、途中で使わなくなってしまうこともあります。細かい予定を立てても、数日遅れただけで計画全体が崩れてしまうこともあるでしょう。
大学受験の勉強計画で大切なのは、毎日の予定を細かく埋めることではありません。
志望校の入試から逆算し、優先順位を決めることが大切です。さらに、予定通りに進まないことを前提に、修正できる計画を作る必要があります。
この記事では、大学受験の勉強計画の立て方と、計画を継続するためのポイントを解説します。
大学受験で勉強計画が必要な理由
大学受験では、限られた期間に複数の科目を仕上げなければなりません。
国公立大学を目指す場合は、共通テストと個別試験の両方を考える必要があります。私立大学でも、英語・国語・選択科目などをバランスよく進めなければなりません。
計画を立てず、その日の気分で勉強すると、得意科目や好きな科目に時間が偏りがちです。その結果、入試直前になって苦手科目が間に合わなくなる可能性があります。
勉強計画には、次のような役割があります。
- 入試までに必要な学習量を把握する
- 科目ごとの優先順位を決める
- 現在の進み具合を確認する
- 苦手科目を放置しないようにする
- 焦りや不安を軽減する
ただし、計画を立てること自体が目的になってはいけません。
計画は勉強を進めるための道具です。美しい予定表を作るより、少し大まかでも実行できる計画を作る方が合格につながります。
大学受験の勉強計画が続かない原因
目標が曖昧なまま計画を立てている
志望校や受験科目が決まっていなければ、何をどこまで勉強するべきか判断できません。
「数学を頑張る」「英語を毎日勉強する」という目標だけでは、具体的な行動につながりにくいものです。
まずは、志望校の入試科目、配点、問題の難易度を確認しましょう。そのうえで、合格に必要な学力と現在の学力の差を考えます。
計画を細かく立てすぎている
朝から夜まで予定を細かく決めると、計画を立てた直後は安心できます。
しかし、学校行事や体調不良などで一つの予定が遅れると、その後の計画も崩れてしまいます。
大学受験は長期戦です。毎日完璧に予定をこなせる人はほとんどいません。多少遅れても立て直せる余裕が必要です。
自分の実力を高く見積もっている
参考書を一日20ページ進める計画を立てても、理解や復習に時間がかかれば予定通りには進みません。
特に、初めて学ぶ分野や苦手科目は、予想以上に時間がかかります。
最初から限界まで予定を入れず、無理なくできる量から始めましょう。実際の進み方を確認してから、少しずつ調整する方が現実的です。
復習する時間を入れていない
新しい内容を進めることだけを計画に入れる受験生は多くいます。
しかし、一度解いた問題を入試本番まで覚えているとは限りません。新しい問題を解き続けても、以前学んだ内容を忘れてしまえば成績は安定しません。
勉強計画には、必ず復習する時間を入れる必要があります。
すべての科目を均等に勉強している
受験科目を毎日同じ時間だけ勉強することが、常に正しいとは限りません。
入試の配点、現在の得意・不得意、成績を伸ばすために必要な時間は科目によって異なります。
数学の配点が高い大学を受験するなら、数学に多くの時間を使う必要があります。一方、数学ですでに十分な得点が取れているなら、苦手な英語や理科を優先した方がよい場合もあります。
大学受験の勉強計画を立てる5つの手順
1.志望校の入試情報を確認する
最初に、志望校の入試科目と配点を確認します。
同じ学部名でも、大学によって必要な科目や配点は異なります。共通テストの得点が重視される大学もあれば、個別試験の得点が重視される大学もあります。
次の項目を調べておきましょう。
- 必要な受験科目
- 科目ごとの配点
- 共通テストと個別試験の比率
- 出題形式
- 合格最低点
- 過去問の難易度
- 試験時間
第一志望だけでなく、併願校についても確認しておくことが大切です。
2.現在の学力を把握する
次に、志望校の合格に必要な学力と現在の学力との差を確認します。
模試の判定だけを見るのではなく、科目別・分野別の成績を確認しましょう。
数学なら、数列はできているが微分積分が弱いかもしれません。英語なら、単語は覚えていても長文を読む速度が足りないことがあります。
「数学が苦手」「英語ができない」と大きく捉えるのではなく、何ができていないのかを細かく分けると、やるべきことが見えやすくなります。
3.入試までに使う教材を決める
現在の学力を把握したら、入試までに使う教材を決めます。
多くの教材を用意する必要はありません。教科書、学校の問題集、参考書、過去問などから、本当に必要なものを選びましょう。
教材を決めるときは、次のように役割を分けると整理しやすくなります。
- 知識を理解する教材
- 基本問題を練習する教材
- 入試問題を演習する教材
- 暗記に使う教材
- 志望校の過去問
一冊の問題集を最後まで仕上げる前に、次々と新しい教材へ移るのはおすすめできません。
教材を増やすほど勉強した気分にはなりますが、復習する量も増えてしまいます。選んだ教材を繰り返し、問題を見たときに解き方を思い出せる状態を目指しましょう。
4.年間・月間・週間の順に計画を立てる
勉強計画は、大きな予定から小さな予定へ分けていきます。
年間計画
年間計画では、入試までの大きな流れを決めます。
たとえば、次のように分けます。
- 春:基礎事項の確認
- 夏:苦手分野の補強と標準問題の演習
- 秋:入試問題の演習と過去問対策
- 冬:過去問、共通テスト対策、最終確認
すべての受験生にこの順番が当てはまるわけではありません。高3の春の時点で基礎が固まっていなければ、夏以降も基礎学習が必要です。
月間計画
月間計画では、その月に終わらせたい教材や分野を決めます。
「数学を頑張る」ではなく、「数学Ⅱの微分積分を復習する」「英単語帳の1番から1000番までを覚える」など、終わったかどうかを判断できる目標にしましょう。
週間計画
週間計画では、一週間で取り組む内容を具体的にします。
毎日の予定を立てる前に、一週間で終わらせる量を決めるのがポイントです。学校行事などで勉強できない日があっても、別の日に調整できます。
5.一週間ごとに計画を見直す
計画を立てたら、毎週同じ曜日に進み具合を確認します。
- 予定通りに終わったもの
- 終わらなかったもの
- 予想以上に時間がかかったもの
- 理解が不十分な分野
- 翌週へ回す内容
計画が遅れたときは、単純に翌週へすべて追加してはいけません。予定が増え続け、いずれ実行できなくなるからです。
重要度の低い学習を減らす、教材を絞る、勉強時間を見直すなどして、実行可能な形に修正しましょう。
科目ごとの優先順位の決め方
科目の優先順位は、次の三つを基準に考えます。
- 入試での配点
- 現在の学力
- 成績が上がるまでに必要な期間
英語・数学・国語は、一般に成績を上げるまで時間がかかります。そのため、高1・高2のうちから継続して勉強することが大切です。
理科や社会は、高3から学習量を増やすことで成績を伸ばせることもあります。ただし、理系の物理や化学は理解に時間がかかるため、開始が遅すぎると間に合わない可能性があります。
苦手科目だけを長時間勉強する必要もありません。
入試は合計点で決まります。苦手科目を平均点まで上げる方がよいのか、得意科目をさらに伸ばす方がよいのかは、配点と志望校の問題を見て判断しましょう。
一日の勉強計画を立てるコツ
勉強時間ではなく内容を決める
「今日は数学を3時間勉強する」という計画では、何を終えればよいのかが曖昧です。
「数学の問題集を5問解き、間違えた問題を解き直す」というように、学習内容を決めましょう。
時間の目安を決めることは必要ですが、机に向かっていた時間だけで満足しないことが大切です。
集中力が必要な科目を先にする
数学の難しい問題や英語長文など、考える必要がある勉強は、比較的集中しやすい時間に行います。
通学時間や疲れている時間には、英単語、古文単語、社会の用語確認、リスニングなどをすると効率的です。
自分の集中力に合わせて、勉強内容を配置しましょう。
予備の時間を残す
一日の予定を限界まで入れると、少し遅れただけで計画を達成できなくなります。
予定は、使える時間の8割程度を目安にするとよいでしょう。残りの時間は、遅れた学習や復習に使います。
時間に余裕ができたら、追加で勉強すれば問題ありません。
計画が遅れたときはどうする?
大学受験の勉強計画が予定通りに進まないのは、珍しいことではありません。
重要なのは、遅れたことを責めるのではなく、原因を確認することです。
- 最初から学習量が多すぎた
- 教材の難易度が合っていなかった
- 復習に予想以上の時間がかかった
- 学校行事や部活動で時間が取れなかった
- スマートフォンを見ている時間が長かった
- 睡眠不足で集中できなかった
原因が計画そのものにあるなら、予定を減らします。生活習慣にあるなら、勉強を始める時刻やスマートフォンの扱い方を見直します。
遅れを取り戻そうとして睡眠時間を削るのはおすすめできません。睡眠不足が続けば、理解力や集中力が下がり、さらに計画が遅れる可能性があります。
計画は守るものではなく、合格に近づくために修正しながら使うものです。
模試の結果を計画に反映する
模試を受けた後は、偏差値や合格判定を見るだけで終わらせてはいけません。
どの科目のどの分野で失点したのかを確認し、翌月の計画に反映します。
たとえば、数学の微分積分で失点が多かったなら、その分野の基本問題まで戻ります。英語で時間が足りなかったなら、語彙力、読む速度、問題を解く順番のどこに原因があるのかを確認します。
模試は、勉強計画を修正するための材料です。
判定が悪くても、弱点が明確になれば次の行動を決められます。反対に、判定が良くても苦手分野を放置すれば、本番で同じ結果を出せるとは限りません。
保護者が勉強計画に関わるときの注意点
高校生になると、大学受験は本人が主体となって進める必要があります。
保護者が細かく予定を決め、毎日できたかどうかを確認しすぎると、本人が受け身になることがあります。
保護者は、計画を管理するよりも、次のような支援をするとよいでしょう。
- 静かに勉強できる環境を整える
- 生活リズムが崩れていないか見守る
- 模試や受験の日程を一緒に確認する
- 教材や講習を増やしすぎない
- 計画が崩れたときに責めず、原因を考える
- 必要に応じて学校や塾へ相談する
大学受験では、自分で考えて行動する力も必要です。
最初は計画通りにできなくても、自分で修正する経験を重ねることで、受験勉強を主体的に進められるようになります。
まとめ
大学受験の勉強計画は、志望校の入試から逆算して作ることが大切です。
まず入試科目や配点を調べ、現在の学力との差を確認します。そのうえで使用する教材を絞り、年間、月間、週間の順に計画を具体化しましょう。
計画を立てるときは、予定を詰め込みすぎず、復習と予備の時間を確保します。一週間ごとに進み具合を確認し、実行できなかった場合は計画を修正します。
大学受験では、最初から完璧な計画を立てる必要はありません。
実際に勉強しながら調整を重ね、自分に合った計画へ近づけることが、受験勉強を継続するためのポイントです。
よくある質問
大学受験の勉強計画はいつから立てるべきですか?
志望校を意識した段階で、一度立ててみるとよいでしょう。高1・高2では英語・数学・国語を中心に基礎を固め、高3では入試科目全体の計画を具体化します。開始が遅れた場合も、残り期間でできることを整理すれば間に合う可能性はあります。
勉強計画は毎日立てた方がよいですか?
毎日の計画だけでなく、一週間単位で考えるのがおすすめです。毎日完璧に進めようとすると、予定が一日崩れただけで挫折しやすくなります。一週間で終わらせる量を決め、その日の状況に応じて調整すると継続しやすくなります。
計画通りに勉強できないのは意志が弱いからですか?
意志の弱さだけが原因とは限りません。予定が多すぎる、教材が難しすぎる、復習時間を見込んでいないなど、計画そのものに問題がある場合もあります。できなかった理由を確認し、翌週の計画を現実的な量に修正しましょう。
参考書は何冊くらい使えばよいですか?
冊数を増やすより、役割を決めて必要な教材に絞ることが大切です。基本を理解する教材、演習用の問題集、過去問などを選び、まずは一冊ずつ仕上げましょう。同じ目的の参考書を何冊も購入する必要はありません。
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