中学受験の理科でてこが苦手な原因は?つり合いを図と式で整理する方法

中学受験の理科でてこのつり合いを図と式に整理する小学生

中学受験理科のてこは、公式を知っていても間違えやすい単元です。おもりの重さと支点からの距離を掛けることは覚えていても、どの距離を使うのか、棒の重さを含めるのか、複数のおもりをどうまとめるのかで迷います。

てこの問題では、最初に支点を決め、左右それぞれが棒をどちら向きに回そうとするかを考えます。その後で「重さ×支点からの距離」を比較すれば、図が複雑でも整理できます。

てこが苦手になる主な原因

支点を確認せずに式を作っている

距離は、どこから測ってもよいわけではありません。てこのつり合いで使うのは、支点から力がはたらく位置までの距離です。図の端から測った長さや、おもり同士の間隔をそのまま使うと誤答になります。

左右の回転方向を見ていない

支点の左側に下向きの力がはたらくと、棒を反時計回りに回そうとします。右側なら時計回りです。単に左辺と右辺に分けるのではなく、互いに反対向きに回すはたらきを比べます。

棒の重さを忘れている

「棒の重さは考えない」とある問題では無視します。しかし、棒の重さが与えられている場合や、均一な棒そのものをつるす場合は、棒の重さも作用します。均一な棒の重さは、基本的に棒の中央にまとめてはたらくと考えます。

複数のおもりを一つにまとめすぎる

重さの合計が同じでも、支点からの距離が違えば回すはたらきは変わります。複数のおもりがある場合は、それぞれについて「重さ×距離」を計算し、同じ回転方向のものを足します。

てこの三つの点を整理する

支点

棒を支える点、または棒が回転する中心です。計算に使う距離の出発点になります。

力点

人が力を加える点です。道具の問題では、手で押す場所や引く場所を探します。

作用点

加えた力が物体にはたらく点です。はさみなら切る場所、せん抜きならふたに力がはたらく場所です。

つり合いの計算問題では、おもりが棒を引く位置を一つずつ図に示します。道具の問題では、支点・力点・作用点の並び方から、どこに小さな力を加えればよいかを考えます。

てこのつり合いの基本式

棒が静止してつり合っているとき、時計回りに回そうとするはたらきの合計と、反時計回りに回そうとするはたらきの合計が等しくなります。

回そうとするはたらきは、基本問題では次の積で表します。

おもりの重さ × 支点からおもりまでの距離

例えば、支点の左10cmの位置に30gのおもり、右15cmの位置に20gのおもりがあるとします。

  • 左:30×10=300
  • 右:20×15=300

左右の回すはたらきが等しいため、棒はつり合います。同じ重力のもとで比較する小学校理科の問題では、gで示されたおもりの値を使って比を計算できます。

問題を解く五つの手順

1. 支点に大きな印をつける

三角形の支え、つり下げ点、回転軸などを確認します。支点が決まらなければ距離も決まりません。

2. 力がはたらく位置に矢印を書く

おもりの位置に下向きの矢印、糸で引く位置には張力の向きの矢印を書きます。図に複数の力がある場合、どの力を計算に含めるかが見えます。

3. 支点からの距離だけを書き直す

目盛りの番号と距離を混同しないよう、支点の目盛りとの差を求めます。支点が目盛り6、おもりが目盛り10なら距離は4目盛りです。

4. 回転方向ごとに積を足す

左側と右側に一つずつとは限りません。それぞれの「重さ×距離」を計算し、時計回りと反時計回りに分けて合計します。

5. 答えを図に戻して確かめる

重いおもりほど支点に近く、軽いおもりほど遠くなるという感覚と矛盾しないか確認します。式が合っていても、距離の取り違えをこの段階で発見できます。

複数のおもりがある問題

支点の同じ側に20gのおもりが5cm、10gのおもりが8cmの位置にあるなら、その側の回すはたらきは次のように求めます。

20×5+10×8=180

反対側では、この合計180と等しくなるように重さまたは距離を決めます。おもりの合計30gに平均的な距離を掛ける方法もありますが、重心の位置を正確に求める必要があります。最初は一つずつ積を足す方が安全です。

棒の重さを含む問題

均一な棒の重さは、棒の中央にまとめてはたらくと考えます。棒の中央と支点が一致すれば、棒自身は支点のまわりを回そうとしません。

支点が中央からずれている場合は、棒の重さによる回すはたらきも計算します。棒の重さが100g、棒の中央が支点の右3cmなら、右向きの回転側に100×3を加えます。

棒が均一でないと明記されている場合、重さが中央にはたらくとは限りません。問題文や図で示された重心の位置を使います。

ばねばかりや糸で支える問題

ばねばかりや糸が棒を上向きに引く場合、下向きのおもりとは回転方向が逆になることがあります。左右だけで判断せず、「その矢印が棒をどちらに回そうとするか」を確認します。

棒全体が静止しているなら、てこのつり合いだけでなく、上向きの力の合計と下向きの力の合計もつり合っています。支点にはたらく力やばねばかりの値を求める問題では、この上下方向のつり合いも利用します。

斜めの力や複雑な図での注意

基本問題では、棒が水平で力が鉛直方向にはたらくため、棒に沿った支点からの距離を使えます。力が斜めに加わる発展問題では、回すはたらきに関係するのは支点から力の作用線までの垂直距離です。

問題に斜めの糸や滑車が含まれるときは、単純に棒の長さを掛けないようにします。まず力の向きと作用線を図に書きます。

道具としてのてこを理解する

支点・力点・作用点の並び方によって、てこの使われ方が変わります。

  • はさみやペンチ:支点が力点と作用点の間にある。
  • せん抜き:作用点が支点と力点の間にある。
  • ピンセットや箸:力点が支点と作用点の間にある。

小さい力で大きなはたらきを得たい場合、力点を支点から遠く、作用点を支点に近くします。ただし、力が小さくなる代わりに、力点を動かす距離は大きくなります。道具の形と目的を結び付けて覚えます。

家庭学習での練習法

図を同じ形式に描き直す

支点を中央に置き、力の位置を左右に並べた簡単な図へ描き直します。元の図の向きが変わっても、支点からの距離と回転方向が同じなら解き方は変わりません。

式に単位と意味を書く

30×10とだけ書かず、「30g×支点から10cm」のように意味を添えます。どの数値を掛けたかが分かり、目盛り番号との混同を防げます。

答えを予想してから計算する

未知のおもりが支点に近いなら重くなるはず、遠いなら軽くなるはずと予想します。計算結果が予想と大きく違う場合は、距離や回転方向を見直します。

まとめ

てこの問題では、最初に支点を決め、力の位置と向きを図に書きます。次に支点からの距離を求め、時計回りと反時計回りの「重さ×距離」の合計を等しくします。

複数のおもりは一つずつ計算し、棒の重さがある場合は重心の位置に加えます。ばねばかりや斜めの力では、左右だけでなく回転方向と作用線を確認しましょう。図に戻って結果を確かめる習慣をつければ、複雑なつり合いの問題にも対応できます。

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この記事を書いた人

理数館編集部では、中学受験の算数・理科を中心に、受験勉強の進め方、家庭学習、過去問対策、入試問題の分析など、受験生と保護者の方に役立つ情報を発信しています。

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