【2026年度】開成中学校 算数 入試問題 完全解説
2026年度の開成中学校 算数 入試問題を、中学受験算数 個別指導 理数館が詳しく解説します。開成中学校の算数は、思考力・処理力・図形把握力を総合的に問う難関校らしい構成となっており、各大問ごとに明確な狙いがあります。本記事では試験全体の分析と対策を整理し、得点力向上につなげます。
目次
※本記事の入試問題は学習目的のため、四谷大塚「中学入試過去問データベース」を参考にしています。
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試験の総評
2026年度の開成中学校 算数は、速さ・規則性・立体・図形の複合問題がバランスよく配置され、典型問題の理解だけでなく応用的な思考力が強く求められる構成でした。特に大問1のグラフと面積の融合問題や、大問4の図形条件整理は、処理の正確さと論理的思考力の両方が問われています。
難易度分析
全体としては難関校標準〜やや難レベルであり、満点を狙う試験ではなく、確実に得点できる問題を取り切る力が重要となります。大問ごとの難易度差は比較的明確で、基礎処理を確実に行えるかが合否を分ける試験でした。
差がつく問題
差がつくのは、大問1の時間変化と面積の対応関係を正確に捉える問題、および大問4の条件整理型の図形問題です。これらは計算力だけでなく、状況を整理して式に落とし込む力が必要であり、思考の整理力が得点差として表れます。
理数館・講師からのアドバイス

開成中学校の算数では、途中の処理を省略せず丁寧に積み上げる力が最も重要です。多くの受験生は途中で思い込みによるミスをしてしまうため、条件整理と図の読み取りを徹底することが合格への鍵となります。また、難問に固執せず、確実に取れる問題を見極める判断力も必要です。
各大問の解説
大問1 解説
① 問題概要
この問題はグラフを利用した旅人算です。
横軸が時間(秒)、縦軸が位置(cm)を表すグラフを読み取り、
- 2人の動き
- 出会うタイミング
- 位置関係
を考える問題です。
開成では頻出のテーマで、
- グラフ読解
- 旅人算
- 速度の理解
を同時に問う問題です。
② 難易度
難問
基本は旅人算ですが、 グラフの読み取りを伴うため整理力が必要です。
開成受験生でも途中で混乱しやすい問題です。
③ 差がつく理由
- グラフの折れ線の意味を正しく理解できない
- 速さを傾きとして読めない
- 出会い=交点という理解が不十分
この問題では、
グラフを「位置と時間の関係」として読めるか
が得点の分かれ目になります。
④ 各小問解説
(1)
▶ ポイント
- グラフは「時間」と「位置」の関係
- 折れ線の傾きが速さを表す
▶ 解説
横軸は時間(秒)、縦軸は位置(cm)です。
したがって、
- 右に進む → 時間が経過
- 上に進む → 前へ進む
- 下に進む → 戻る
を表します。
問題の条件に従って点を結ぶと、 解答図のグラフになります。
(2)(a)
▶ ポイント
- 出会う瞬間はグラフの交点
▶ 解説
2人が出会うとは、
同じ時刻に同じ位置にいる
ということです。
グラフでは、
2つの線が交わる点
になります。
交点の時刻を読むと、
12.5秒後、17.5秒後
の2回です。
(2)(b)
▶ ポイント
- 同様に交点を数える
▶ 解説
(1)で作ったグラフを使い、 交点をすべて確認します。
すると出会うのは
- 35秒後
- 40秒後
- 50秒後
- 55秒後
の4回です。
(3)
▶ ポイント
- グラフの延長を利用する
- 交点の時刻を計算で求める
▶ 解説
グラフの傾きは速さを表しています。
したがって、
距離 ÷ 速さ
で時間を求めることができます。
交点を計算で求めると、
43と1/3秒後、46と2/3秒後
の2回になります。
【図解】
まずグラフの変化を確認します。
次に面積との関係を見ます。
この大問の入試対策コメント
この問題は、開成で頻出のグラフ旅人算です。
対策として重要なのは、
- 速さ=グラフの傾き
- 出会い=交点
- 時間=横軸
をしっかり理解することです。
また、開成レベルでは
- グラフ問題
- 旅人算
- 比と割合
が組み合わされて出題されることが多いです。
普段から
- 旅人算をグラフで整理する練習
- 速度の意味を理解する練習
をしておくと、このタイプの問題に強くなります。
大問2 解説
① 問題概要
1〜9までの9個の数字をすべて1回ずつ使い、分数の式の空欄を埋めて条件を満たす値を作る問題です。
計算力というよりも、
- 数字の大きさの見通し
- 分母と分子の影響の理解
- 条件から場合を絞る論理力
が試される思考型の数の問題です。
入試では「すべて試す」のではなく、 大きくなる条件・小さくなる条件を見抜く力が重要になります。
② 難易度
標準〜やや難
計算そのものは難しくありませんが、 数字の配置の考え方に気づけるかどうかで差がつきます。
③ 差がつく理由
- 分母が小さいほど分数は大きくなることを理解しているか
- 分子と分母の大小関係を使って考えられるか
- 条件から数字の候補を論理的に絞れるか
中学受験ではこのような「数字配置問題」は頻出です。 単なる計算ではなく、大小関係を利用する思考力が問われます。
(1)
1〜9の数字をすべて1回ずつ使って分数を作り、 できるだけ大きい値になるようにします。
▶ ポイント
- 分子をできるだけ大きくする
- 分母をできるだけ小さくする
▶ 解説
分母は2けたなので、最小は
12
となります。
残りの数字は
3・4・5・6・7・8・9
この中から4けたの最大を作ると
9876
したがって分数は
9876 / 12
(2)(a)
分数の和が最大になるように数字を入れます。
▶ ポイント
- それぞれの分数をできるだけ大きくする
- 分母を小さくする
- 分子を大きくする
▶ 解説
1つ目の分数を
9864 / 12
とするとかなり大きくなります。
残りの数字は
7・5・3
2つ目の分数は分母を小さくしたいので
3
を分母にします。
すると分子は
75
よって
75 / 3
したがって式は
9864 / 12 + 75 / 3
計算すると
9864 ÷ 12 = 822
75 ÷ 3 = 25
したがって
822 + 25 = 847
(2)(b)
分数の和が17より小さくなるようにします。
▶ ポイント
- 分母を大きくする
- 分子を小さくする
- 分数の値を全体として小さくする
▶ 解説
条件を満たす組み合わせは1通りしかありません。
1つ目の分数
1356 / 97
2つ目の分数
24 / 8
計算すると
1356 ÷ 97 ≒ 13.98
24 ÷ 8 = 3
よって
約16.98
17より小さくなります。
したがって答えは
1356 / 97 + 24 / 8
この大問の入試対策コメント
この問題は典型的な数字配置問題です。
- 最大にする → 分子最大・分母最小
- 最小にする → 分子最小・分母最大
この基本原則を使って考えることが重要です。
開成レベルでは、すべて試すのではなく 論理的に候補を減らしていく思考力 が強く求められます。
このタイプは頻出なので、必ず練習しておきましょう。
大問3 解説
① 問題概要
この問題は格子点上の図形と面積を扱う問題です。
三角形ABCの内部に、格子点を利用して長方形を配置する問題で、
- 格子点図形の性質
- 図形の分割
- 面積の求め方
を組み合わせた問題になっています。
開成ではこのような図形の配置と面積を考える問題がよく出題されます。
② 難易度
やや難
面積計算自体は難しくありませんが、図形の配置を正しく理解する必要があります。
図を整理して考えられるかどうかがポイントです。
③ 差がつく理由
- 格子点図形の見方に慣れていない
- 三角形を分割して考えられない
- 面積の求め方を整理できない
この問題では、
図形を分割して考える力
が非常に重要になります。
④ 各小問解説
(1)
▶ ポイント
- 格子点を利用して長方形を配置する
- 三角形の内部に収まるように配置する
▶ 解説
三角形ABCの内部には多くの格子点があります。
この格子点を利用して長方形を配置します。
図形の条件を満たす配置を考えると、 解答図のような配置になります。
長方形は三角形の内部に3つ配置されています。
したがって答えは解答図になります。
(2)
▶ ポイント
- 三角形の面積から不要部分を引く
▶ 解説
三角形ABCの面積を求めます。
底辺と高さから計算すると、
三角形の面積は
60 cm²
になります。
次に、配置された長方形の面積を合計します。
配置された長方形の合計面積は
20 cm²
です。
したがって求める面積は
60 − 20
となり、
40 cm²
になります。
【図解】
▶ この問題の動画解説はこちら
▶ 動画授業を見る(開成2026 大問3)この大問の入試対策コメント
この問題は格子点図形の面積問題です。
開成では、図形問題を
- 分割する
- 移動する
- 引き算する
ことで解く問題が多く出題されます。
対策として重要なのは
- 三角形の面積公式を使いこなす
- 図形を分割して考える
- 格子点図形に慣れる
ことです。
普段から格子点の図形問題を多く解いておくと、 開成レベルの図形問題にも対応できるようになります。
大問4 解説
① 問題概要
この問題は蜂の巣状の格子図形(六角形格子)の中にできる三角形を考える問題です。
点を結んで三角形を作り、
- 三角形の面積
- できる個数
- 規則性
を調べていきます。
開成では、このような図形と規則性を組み合わせた思考問題がよく出題されます。
② 難易度
やや難
計算自体は難しくありませんが、 図形の数え方と規則性を見つける必要があります。
③ 差がつく理由
- 三角形の面積を求められない
- 同じ形の三角形を見落とす
- 規則を見つけずに数えてしまう
この問題では
図形を整理して規則を見つける力
が重要になります。
④ 各小問解説
(1)
▶ ポイント
- 基本となる三角形の面積を求める
- 同じ形の三角形の個数を数える
▶ 解説
図を見ると、六角形格子の点を結んで三角形を作っています。
この三角形の面積を求めると
3 cm²
になります。
同じ形の三角形をすべて数えると
12個
あります。
したがって答えは
3 cm²,12個
です。
(2)(a)
▶ ポイント
- 三角形の高さを利用して面積を求める
▶ 解説
三角形の面積は
底辺 × 高さ ÷ 2
で求めます。
図の条件から計算すると、
5 cm²
になります。
(2)(b)
▶ ポイント
- 同じ面積の三角形を探す
▶ 解説
図形の中で同じ面積の三角形を探すと
3個
見つかります。
(2)(c)
▶ ポイント
- さらに条件を満たす三角形を絞る
▶ 解説
条件に合う三角形を数えると
2個
になります。
(2)(d)
▶ ポイント
- 規則性を利用して個数を求める
▶ 解説
図形の配置を整理すると、 同じ形の三角形は規則的に並んでいます。
その規則を利用すると、
30個
あることが分かります。
(3)
▶ ポイント
- 条件を満たす三角形の例を考える
▶ 解説
図形の配置を考えると、 次のような三角形を作ることができます。
【図をここに挿入】
例えば
- 面積 5 cm² の三角形 → 48個
- 面積 4 cm² の三角形 → 60個
のような例があります。
【図解】
この大問の入試対策コメント
この問題は格子図形と規則性を組み合わせた問題です。
開成では、
- 図形の面積
- 図形の個数
- 規則性
を同時に問う問題がよく出題されます。
対策として重要なのは
- 図形を整理して考える
- 規則を見つける
- 同じ図形を見落とさない
ことです。
普段から
- 格子図形
- 図形の個数問題
- 図形の規則性
の問題を多く解いておくと、開成レベルの図形問題にも対応できるようになります。
志望校対策
開成中学校の算数対策としては、基礎問題を高速かつ正確に処理する力に加え、図形や規則性の問題において自分で状況を整理する訓練が不可欠です。特に、図を書いて整理する習慣と、途中式を明確に残す習慣を徹底することで安定した得点力が身につきます。
動画解説について
大問3を動画解説しております。良ければ学習の参考にしてください。
まとめ
2026年度の開成中学校 算数は、典型問題の理解を前提にした応用力を問う試験でした。日頃から思考過程を言語化し、丁寧に解く習慣を身につけることで、安定して合格点に到達することができます。
※問題は学習目的の引用です。
出典:四谷大塚 中学入試過去問データベース
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