黒石・白石の規則性問題
「n回目の列」から2026番目を求める
📋 問題
問題5
黒石と白石を次の規則で並べます。
1回目:黒 2回目:黒 白 3回目:黒 白 白 4回目:黒 白 白 白 ……
つまり、n回目には、黒石1個のあとに白石をn−1個並べます。
これらを順につなげて、
黒 | 黒白 | 黒白白 | 黒白白白 | ……という長い列を作ります。この列について考えます。
(1)左から2026番目の石は黒石ですか、白石ですか。
(2)左から2026番目までにある黒石は全部で何個ですか。
🔍 まず列をイメージしよう
最初の4回分を並べると、こうなります。番号は「列全体での位置」です。
| 回 | その回の個数 | その回までの累計個数 | その回の構成 |
|---|---|---|---|
| 1回目 | 1個 | 1個 | 黒×1 |
| 2回目 | 2個 | 3個 | 黒×1、白×1 |
| 3回目 | 3個 | 6個 | 黒×1、白×2 |
| 4回目 | 4個 | 10個 | 黒×1、白×3 |
| n回目 | n個 | n(n+1)÷2 個 | 黒×1、白×(n−1) |
大事なポイント:
n回目まで並べたとき、全部の石の数は 1+2+3+…+n = n×(n+1)÷2 個 です。
これは「三角数(さんかくすう)」と呼ばれる有名な数の並びです。
n回目終了後の累計 = n×(n+1)÷2📖 通常解説
(1)2026番目は黒石か白石か
2026番目の石が「何回目のグループ」にあるかを調べます。 そのためには、「何回目が終わったとき、累計が2026個以上になるか」を計算します。
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n×(n+1)÷2 が2026以上になるnを探す
n=63 のとき:63×64÷2 = 2016(まだ2026に足りない)
n=64 のとき:64×65÷2 = 2080(2026を超えた!)2016 < 2026 ≦ 2080
つまり、2026番目は「64回目のグループ」の中にある。 -
64回目の「何番目」にあたるかを求める
63回目が終わった時点で、累計2016個です。
2026番目は、64回目グループの中の2026 − 2016 = 10 → 64回目グループの10番目 -
64回目グループの10番目は黒石か白石か
64回目グループの並び方:
1番目 = 黒石、2番目以降 = 白石(黒石1個+白石63個)
10番目は 2番目以降 なので、64回目の10番目 = 白石
(2)2026番目までの黒石の個数
黒石の個数を数えます。各グループに黒石は必ず1個ずつあります(先頭の石)。
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63回目まで(累計2016個)の黒石を数える
1回目〜63回目まで、各グループに黒石が1個ずつあります。
黒石の数 = グループの数 = 63個 -
64回目グループの10番目まで(2017〜2026番目)の黒石を数える
64回目グループは「黒石1個 → 白石63個」の順です。
10番目まで見ると:
・1番目 → 黒石(1個)
・2〜10番目 → 白石(9個)
つまり、64回目グループで追加される黒石は 1個。 -
合計する黒石の合計 = 63個 + 1個 = 64個
🧠 初見での考え方(思考実況)
開成受験生が本番でこの問題を見たとき、どう考えるべきか実況します。
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「グループ分け」の問題だとすぐ気づく
「1回目・2回目・3回目…と区切りがある列」を見た瞬間に、 「どのグループの何番目か」を調べる問題だと認識します。 2026という大きな数が出てきたら、「直接数えることはできない」と即座に切り替えます。
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「累計の式」を立てることが最重要だと見抜く
n回目グループは n個。1回目からn回目までの合計は 1+2+…+n=n(n+1)÷2。 この「三角数の公式」が使えると気づけるかどうかが分かれ目です。 三角数 = 1から連続する整数の和
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「2026をまたぐ n を探す」という方針を立てる
n(n+1)÷2 が2026より小さく、(n+1)(n+2)÷2 が2026以上になる n を探します。 計算は n≒√(2×2026)≒√4052≒63 という見当をつけてから確認します。 (「√」が使えなくても「63×64÷2を計算してみる」という発想で十分です)
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「そのグループの何番目か」と「黒石か白石か」を分けて考える
場所が特定できたら、「そのグループ内で何番目か=2026−2016=10番目」を求めます。 そして「各グループは先頭だけ黒」という規則を使えば、10番目は白と即答できます。
💡 なぜその方針を選ぶのか
「1個ずつ数える」ではなぜダメか?
2026番目まで1個ずつ数えていたら、試験時間が足りません。 しかも数え間違えます。大きな数が出てきたら、必ず「まとめて計算する式」を探すのが鉄則です。
「累計 = n(n+1)÷2」という式になるのはなぜか?
1回目から n回目までのグループの石の数の合計は、
1 + 2 + 3 + … + n です。
これは「1からnまでの整数の和」で、公式 n×(n+1)÷2 で求められます。
この公式は「ガウスのたし算」とも呼ばれ、(最初+最後)×個数÷2 と覚えてもよいです。
「n≒63」の見当をなぜつけるか?
2026に近い三角数を探すとき、n(n+1)÷2≒2026 なので n² ≒ 4052 ≒ 4000。 63×63=3969、64×64=4096 なので n は63か64の近辺だとわかります。 この「当たりをつけてから確認する」という流れが本番では大切です。 やみくもに n=1,2,3… と試していては時間が無駄になります。
なぜ黒石の個数が「グループ数と同じ」になるのか?
どのグループも「先頭の1個だけが黒石」という規則があります。 1回目〜63回目まで63グループあれば、黒石もちょうど63個です。 黒石の数=完全に終わったグループの数という関係が成り立ちます。 これを見抜くと(2)は瞬殺できます。
⚠️ 典型ミス
63×64÷2=2016 を計算して「63回目の終わり=2016番目」とわかった時点で、 n=63を「2026番目のグループ」として扱ってしまう。 正しくは2026番目は64回目にある。
64回目の中の位置を「2026−2016=10番目」ではなく「2026−2017+1」などと混乱した計算をしてしまう。または64回目の最初の石を「2017番目」と正しく特定できない。
「64回目の10番目」まではわかったのに、「先頭だけ黒」というルールをうっかり忘れて「10番目は黒」と答えてしまう。
63回目まで終わった時点で黒石63個。そこで止まってしまい、64回目の先頭にある黒石1個を数え忘れる。
1+2+…+n の和をn=64まで地道に足し算しようとして、計算ミスや時間切れになる。
🔄 別解・速解法
【別解】小さい場合で確認してから公式に乗せる
不安な場合は、n=3〜4の小さい場合で式を確認してから大きな数に適用します。
n=4の場合:累計 4×5÷2=10個。
確認:黒白|黒白白|黒白白白|黒白白白白 → 確かに10個。✓
「5番目は何か」→ 3回目グループ終了が6個、2回目終了が3個。5番目は3回目の2番目=白石。✓
小さい場合で式が正しいと確認できれば、安心して大きな数に当てはめられます。
【スピード解法】黒石の個数を一発で出す考え方
「黒石の個数=2026番目が含まれるグループの番号」という関係が成り立ちます。
なぜかというと…
・2026番目は64回目グループの中にある
・64回目グループに入った時点で、黒石が1個追加されている(先頭の黒石)
・1〜63回目:黒石63個。64回目の先頭まで:+1個
黒石の個数 = 64個 ←「64回目の中にある」とわかった時点で即答できる本番おすすめ (1)で「64回目の中にある」とわかった瞬間に、(2)の答えも同時に出せます。
・基本解法:n(n+1)÷2 を計算し、不等号で挟んで確認。最も確実。
・小確認法:小さな数で式を検証してから使う。不安なときの安全策。
・スピード解法:(1)を解いた時点で(2)も同時に出す。理解が深い子向け。
🏆 開成で差がつくポイント
「2026という大きな数を直接扱えないと気づき、グループ分けと累計の式に切り替える力」です。 計算力より問題の構造を見抜く力が問われています。
① 「グループの累計が三角数になる」と即座に気づく。 ② n≒63という見当をつけてから63と64を確認する。 ③ 不等号で「2016<2026≦2080」を書いて確実に確認する。 ④ (1)の答えから(2)の黒石の数も連動して求める。
「三角数の公式が思いつかない」「n=63と64のどちらが答えか判断できない」 「2026番目が白石なのに黒石の数が64個という結果に混乱する」。 いずれも構造の整理ができていないことが原因です。
(1)と(2)は独立した問いに見えて、実は完全に連動しています。 「2026番目が64回目の10番目にある」という事実から、 「黒石の数=64個」が一発で出ます。 この「一つの発見から複数の答えを出す」という連動思考が、開成が最も好む解き方です。 問いをバラバラに解くのではなく、まず構造を解明してから答えを読み取るという姿勢を持てているかが差になります。
📚 この問題から学ぶべきこと
- 「大きな番号を直接数えず、グループ分け+累計で処理する」という規則性問題の王道パターンです。
- 「三角数(1+2+…+n=n(n+1)÷2)」は中学受験で頻出の公式。条件反射で使えるようにしておくこと。
- 「n番目を挟む不等式を書く」という確認の癖をつけること。この一手間がミスを防ぎます。
- 同じパターンの問題:「曜日の規則性」「余りによる分類」「図形の個数が規則的に増える問題」。どれも「グループ分け+累計」で解けます。
- 三角数の応用:正三角形を敷き詰めた図形の個数、ボウリングのピンの配置、握手の回数なども三角数で解けます。
- 「2問連動」のパターン:(1)の答えを(2)に活かすという連動型は開成でよく出ます。(1)を解いたらすぐ(2)に使えないか考えるようにしましょう。
- 大きな番号が出てきたら「グループ分けできないか」を反射的に考える。
- 「1から n までの和」が出てきたら、即座に n(n+1)÷2 を使う。
- 見当をつけてから確認する(n≒√(2×目標数))という手順を練習しておく。
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