開成対策講座 第3講 問題1

開成レベル算数解説 問題1:三角形の面積

開成・灘・筑駒レベル 算数解説

問題1|三角形の面積と底辺比 ― 思考過程完全解説

📋 問題

底辺が 18cm、高さが 12cm の三角形ABCがあります。

辺BC上に点Pを、BP:PC = 2:1 となるように取ります。

三角形ABPの面積を求めなさい。

【図をここに挿入】
📘 通常解説
まず△ABCの面積を求める

三角形の面積の公式は「底辺 × 高さ ÷ 2」です。

△ABCの面積 = 18 × 12 ÷ 2 = 108 cm²
BPの長さを求める

BP:PC = 2:1 なので、BPはBC全体を 2+1=3 に分けたうちの2つ分です。

BP = 18 × 2/(2+1) = 18 × 2/3 = 12 cm
△ABPの高さを確認する

頂点Aから底辺BCへ引いた垂線の長さが「高さ」です。
△ABPでも、底辺はBP(BCの一部)で、頂点Aは動いていないので、
高さは△ABCとまったく同じ 12cm です。

【図をここに挿入:AからBCへ垂線、PはBPの位置に図示】
△ABPの面積を求める
△ABPの面積 = BP × 高さ ÷ 2 = 12 × 12 ÷ 2 = 72 cm²
なぜこの式になるか(根拠の確認)

△ABPと△ABCは同じ頂点Aを持ち、底辺が同じ直線BC上にある
だから高さは同じ。底辺だけが変わる(BP = 12cm、BC = 18cm)。
面積の比 = 底辺の比 = 12:18 = 2:3。
△ABP = 108 × 2/3 = 72cm² と計算してもOK(面積比の方が速い)。

答え:72 cm²
BP × 高さ ÷ 2 = 12 × 12 ÷ 2 = 72 または 108 × 2/3 = 72
🎙 初見での考え方(思考実況)
問題を読んだ瞬間:「三角形ABCがあって、辺BC上に点P」→ 底辺の一部を切り取る問題だ。高さが変わるか変わらないかを確認する。
  1. 1
    「高さが変わるか?」を最初に確認する 点Pは辺BC上にある。頂点Aはどこにも動いていない。
    → AからBCに引いた垂線の長さは変わらない = 高さは常に12cm
    これが確認できた瞬間に「底辺の比だけ考えればよい」と決断できる。
  2. 2
    BP:PC=2:1 から「底辺の比」を読む BP+PC = BC なので、BP:BC = 2:3。
    これが面積比に直結する(高さが同じだから)。
  3. 3
    △ABCの面積を求めて、比で割る 108 × 2/3 = 72cm²。
    BPの実長(12cm)を計算しなくても、面積比だけで答えが出る
何を固定して、何を比で見るか
要素固定 or 変化理由
高さ(AからBC)固定(12cm)頂点Aは動かず、底辺はBC上
底辺変化(BCがBPに)点PがBC上に取られるから
面積比底辺比と一致(2:3)高さが同じなので底辺比=面積比
開成受験生なら「高さ固定・底辺比で面積比」を条件反射レベルで使える。この判断が5秒以内にできるかどうかが差になる。
🔍 なぜその方針を選ぶのか
「高さが同じ」に気づくのがなぜ重要か

三角形の面積は「底辺 × 高さ ÷ 2」の公式で求まります。2つの三角形を比べるとき、どちらか一方が同じなら、もう一方の比がそのまま面積比になる

この問題では高さが同じ → だから底辺の比 = 面積の比が成り立ちます。これが最も直接的で速い方針です。

別の考え方ではなぜ遠回りか
✗ BPの長さを先に求める(遠回り)
BP=18×2/3=12cm を計算してから、
12×12÷2=72cm² とする方法。

計算ステップが1つ多く、比の考え方が使えていない。 計算ミスのリスクも上がる。
✓ 面積比で一発(最速)
△ABC = 108cm²
BP:BC = 2:3
△ABP = 108 × 2/3 = 72cm²

計算3行で完結。ミスの余地が少ない。
「比で見る」のはなぜ有効か

底辺の実長(18cm、12cm)を使って計算しても答えは出ますが、比率で考える習慣は複雑な問題ほど威力を発揮します。今後、座標なし・長さ不明の図形問題で「面積比だけで解く」場面が多く出てきます。今のうちから「実長より比」の思考回路を作ることが大切です。

なぜ図を書くのか

「高さが同じ」というのは図を見ると一目瞭然ですが、頭の中だけで考えると「P点が変わったから高さも変わるのでは?」と誤解しやすいです。図を書くことで「頂点Aは動いていない」「底辺はBC上に固定されている」を視覚的に確認できます。

⚠️ 典型ミス
ミス① 高さを「BP:PCの比で分割」してしまう
BP:PC=2:1 だから「高さも2:1に分かれる」と思い込み、△ABPの高さを 12×2/3=8cm としてしまう。
比が2:1と見えると何でも分けたくなる心理が働く。「どの要素に比が適用されるか」を必ず確認する習慣がないと起こる。BP:PCは底辺(BC上の長さ)の比であって、高さには無関係。
ミス② BP:PC=2:1 を BC:BP=2:1 と読み間違える
BPをBCの2/1倍(つまりBC全体より大きい)と計算してしまい、面積がおかしくなる。
「BC上に点P」という設定を頭に入れないまま計算を始めるから。問題文をしっかり読まず、比の2数をそのまま使おうとする急ぎ気質が原因。必ず「比の合計」を先に出す(2+1=3)習慣が必要。
ミス③ △ABCの面積を「18 × 12 = 216」と ÷2 を忘れる
三角形なのに長方形の面積公式(底辺×高さ)を使ってしまう。
急いでいる時や、△ABCの面積計算を「通過点」として軽視するときに起こりやすい。面積を出す最初のステップでのミスは、以降の計算がすべて2倍ズレる致命的なミスになる。
ミス④ 「面積比=底辺比」という関係を使わず、BPを求めてから面積公式を適用する
間違いではないが、計算量が増えてミスしやすくなる。本番では時間ロスにもなる。
「面積比=底辺比(高さが同じとき)」という原理が身についていないため、毎回公式に戻って計算しようとする。この原理を体で覚えていると計算が格段に速くなる。
ミス⑤ 図を描かずに「高さが違う」と思い込む
「Pは辺BC上の違う点だから、高さも変わるはず」と誤解したまま計算を進める。
三角形の高さは「底辺に選んだ辺(または延長線)と、対頂点の距離」で決まる。底辺BC上でPの位置が変わっても、対頂点Aの位置は変わらないので高さは変わらない。図を描けばこの誤解はすぐ解消できる。
💡 別解
別解A:BPの実長を先に求める方法
BP = 18 × 2/(2+1) = 18 × 2/3 = 12 cm
△ABP = 12 × 12 ÷ 2 = 72 cm²

正確に出るが、計算ステップが1つ多い。


別解B:△ABCの面積から面積比で求める(最推奨)
△ABC = 18 × 12 ÷ 2 = 108 cm²
BP:BC = 2:3(高さ同じなので面積比も2:3)
△ABP = 108 × 2/3 = 72 cm²

別解C:△APCから引く方法

PC:BC = 1:3 なので △APC = 108 × 1/3 = 36cm²。

△ABP = △ABC − △APC = 108 − 36 = 72 cm²

同じ原理を逆から使う方法。どちらから考えても同じ答えになることを確認できる。


本番でおすすめの解法
✓ 最速・ミスなし:別解B(面積比)
△ABC=108、BP:BC=2:3
→ 108×2/3=72

所要時間:20秒以内
比の操作1回で完結。
△ 確実だが遅い:別解A(実長計算)
BPを求めてから公式適用。
計算量が多く、面積比の習慣がつかない。

時間ロス:10〜15秒
🏆 開成で差がつくポイント
① 本当に見られている力:「高さ固定の即認識」
この問題は計算自体は簡単。差がつくのは「高さが変わらない」という構造を読んだ瞬間に認識できるかどうか。これができれば面積比の一撃解法につながる。できなければ遠回りの計算になる。
② 合格者の整理の仕方
①図を描いて「頂点Aは固定」を視覚確認 → ②「底辺のみ変化」と認識 → ③底辺比2:3を面積比に直結 → ④108×2/3=72。
思考から計算まで一筆書きで終わる。
③ 不合格者がつまずく場所
「BP:PC=2:1」を見た瞬間に「比が出てきた→どこかを分割する」と反射して、高さを比で分割するミスを犯す。または公式に頼りすぎてBPの実長を求めてから面積を出す遠回りをする。
④ 開成特有の思考ポイント:「この問題は入口問題」
開成では、この問題のような「底辺比=面積比」の原理が複雑な図形問題の入口として使われる。本問を「面積比の訓練」として使い、「高さが同じなら底辺比=面積比」を反射的に使える状態にしておくことが、後続の難問への布石になる。
⑤ 差がつく最終ポイント
合格者 「高さ同じ → 底辺比 → 面積比」を5秒で処理
不合格者 「高さも比で分かれる?」と迷ったり、実長計算にこだわる
📚 この問題から学ぶべきこと
この問題の本質
  • 「高さが同じ ⇒ 底辺の比 = 面積の比」は図形問題の最重要原理。これ1本で解ける問題が膨大にある。
  • 「比が出てきたら何でも分割する」ではなく、どの要素に比が適用されるかを見極めること。
  • 面積比は「実長を求めてから計算」より速く、ミスも少ない。比の処理を先にする習慣をつける。
他問題への応用
  • 等積変形:「高さが同じ=面積が等しい三角形の発見」に直結する。平行線と三角形の面積の問題で多用。
  • 台形・四角形の分割:対角線で分けた三角形の面積比を求めるとき、この原理が繰り返し登場する。
  • 比例式の連鎖:「BP:PC=2:1」→「BP:BC=2:3」→「面積比=2:3」という変換の連鎖は、より複雑な図形問題の基礎になる。
  • 座標を使う問題:頂点の座標から三角形の面積を求める際も「底辺×高さ÷2」と同じ発想が使える。
今後どう活かすか
  • 三角形が2つ出てきたらまず「高さが同じか?」「底辺が同じか?」を確認する習慣をつける。
  • 「高さ同じ → 底辺比 = 面積比」を条件反射レベルで使えるまで反復練習する。
  • 「比が出たら実長を求めなくていい場合がある」という発想を持ち、計算を省略できる場面を積極的に探す
最終答え:72 cm²
△ABC=108cm² / BP:BC=2:3 / △ABP=108×2/3=72cm²
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