開成・灘・筑駒レベル 算数解説
問題1|三角形の面積と底辺比 ― 思考過程完全解説
底辺が 18cm、高さが 12cm の三角形ABCがあります。
辺BC上に点Pを、BP:PC = 2:1 となるように取ります。
三角形ABPの面積を求めなさい。
三角形の面積の公式は「底辺 × 高さ ÷ 2」です。
△ABCの面積 = 18 × 12 ÷ 2 = 108 cm²BP:PC = 2:1 なので、BPはBC全体を 2+1=3 に分けたうちの2つ分です。
BP = 18 × 2/(2+1) = 18 × 2/3 = 12 cm頂点Aから底辺BCへ引いた垂線の長さが「高さ」です。
△ABPでも、底辺はBP(BCの一部)で、頂点Aは動いていないので、
高さは△ABCとまったく同じ 12cm です。
△ABPと△ABCは同じ頂点Aを持ち、底辺が同じ直線BC上にある。
だから高さは同じ。底辺だけが変わる(BP = 12cm、BC = 18cm)。
面積の比 = 底辺の比 = 12:18 = 2:3。
△ABP = 108 × 2/3 = 72cm² と計算してもOK(面積比の方が速い)。
-
1「高さが変わるか?」を最初に確認する 点Pは辺BC上にある。頂点Aはどこにも動いていない。
→ AからBCに引いた垂線の長さは変わらない = 高さは常に12cm。
これが確認できた瞬間に「底辺の比だけ考えればよい」と決断できる。 -
2BP:PC=2:1 から「底辺の比」を読む BP+PC = BC なので、BP:BC = 2:3。
これが面積比に直結する(高さが同じだから)。 -
3△ABCの面積を求めて、比で割る 108 × 2/3 = 72cm²。
BPの実長(12cm)を計算しなくても、面積比だけで答えが出る。
| 要素 | 固定 or 変化 | 理由 |
|---|---|---|
| 高さ(AからBC) | 固定(12cm) | 頂点Aは動かず、底辺はBC上 |
| 底辺 | 変化(BCがBPに) | 点PがBC上に取られるから |
| 面積比 | 底辺比と一致(2:3) | 高さが同じなので底辺比=面積比 |
三角形の面積は「底辺 × 高さ ÷ 2」の公式で求まります。2つの三角形を比べるとき、どちらか一方が同じなら、もう一方の比がそのまま面積比になる。
この問題では高さが同じ → だから底辺の比 = 面積の比が成り立ちます。これが最も直接的で速い方針です。
12×12÷2=72cm² とする方法。
計算ステップが1つ多く、比の考え方が使えていない。 計算ミスのリスクも上がる。
BP:BC = 2:3
△ABP = 108 × 2/3 = 72cm²
計算3行で完結。ミスの余地が少ない。
底辺の実長(18cm、12cm)を使って計算しても答えは出ますが、比率で考える習慣は複雑な問題ほど威力を発揮します。今後、座標なし・長さ不明の図形問題で「面積比だけで解く」場面が多く出てきます。今のうちから「実長より比」の思考回路を作ることが大切です。
「高さが同じ」というのは図を見ると一目瞭然ですが、頭の中だけで考えると「P点が変わったから高さも変わるのでは?」と誤解しやすいです。図を書くことで「頂点Aは動いていない」「底辺はBC上に固定されている」を視覚的に確認できます。
△ABP = 12 × 12 ÷ 2 = 72 cm²
正確に出るが、計算ステップが1つ多い。
BP:BC = 2:3(高さ同じなので面積比も2:3)
△ABP = 108 × 2/3 = 72 cm²
PC:BC = 1:3 なので △APC = 108 × 1/3 = 36cm²。
△ABP = △ABC − △APC = 108 − 36 = 72 cm²同じ原理を逆から使う方法。どちらから考えても同じ答えになることを確認できる。
→ 108×2/3=72
所要時間:20秒以内
比の操作1回で完結。
計算量が多く、面積比の習慣がつかない。
時間ロス:10〜15秒
思考から計算まで一筆書きで終わる。
不合格者 「高さも比で分かれる?」と迷ったり、実長計算にこだわる
- 「高さが同じ ⇒ 底辺の比 = 面積の比」は図形問題の最重要原理。これ1本で解ける問題が膨大にある。
- 「比が出てきたら何でも分割する」ではなく、どの要素に比が適用されるかを見極めること。
- 面積比は「実長を求めてから計算」より速く、ミスも少ない。比の処理を先にする習慣をつける。
- 等積変形:「高さが同じ=面積が等しい三角形の発見」に直結する。平行線と三角形の面積の問題で多用。
- 台形・四角形の分割:対角線で分けた三角形の面積比を求めるとき、この原理が繰り返し登場する。
- 比例式の連鎖:「BP:PC=2:1」→「BP:BC=2:3」→「面積比=2:3」という変換の連鎖は、より複雑な図形問題の基礎になる。
- 座標を使う問題:頂点の座標から三角形の面積を求める際も「底辺×高さ÷2」と同じ発想が使える。
- 三角形が2つ出てきたらまず「高さが同じか?」「底辺が同じか?」を確認する習慣をつける。
- 「高さ同じ → 底辺比 = 面積比」を条件反射レベルで使えるまで反復練習する。
- 「比が出たら実長を求めなくていい場合がある」という発想を持ち、計算を省略できる場面を積極的に探す。
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