開成対策講座 第1講 問題4

円順列の条件付き問題|開成レベル算数解説
開成・灘・筑駒レベル|中学受験算数 完全解説

円順列と隣接条件の処理
──「隣り合う」「隣り合わない」の整理術

場合の数 円順列 条件整理 開成頻出
📋問題

A、B、C、D、E の5人が円形に並びます。

ただし、次の条件があります。

  • 条件① : AとBは隣り合う
  • 条件② : BとCは隣り合わない

並び方は全部で何通りありますか。

📘通常解説

【前提】円順列とは何か?

円順列の基本ルール 円形に並ぶ場合、「回転しても同じ配置は1通り」と数えます。
5人を一列に並べると 5!=120通りですが、円形では誰か1人を固定し、残りを並べます。
そのため、条件なし円順列 = (5−1)!= 4!= 24通りが基準となります。

【方針】AとBを「ひとかたまり」として考える

条件①「AとBは隣り合う」を処理するには、AとBを1つのブロック【AB】として扱うのが最も整理しやすい方法です。
ブロックの中でAとBが入れ替わる(A-B と B-A の2通り)ことを忘れないでください。
【図をここに挿入】
円にABブロック・C・D・Eが並ぶイメージ図

【STEP1】AとBをブロック化して円順列を計算する

1
ブロック化:【AB】・C・D・E の4つとして考える

5人→4つのかたまりになったので、円順列は (4−1)!= 3!= 6通り

2
ブロック内の並び方:AとBの順序

【AB】の中の並び方は「A-B」「B-A」の2通り

3
条件①を満たす全体の並び方(条件②は無視)
3!× 2 = 6 × 2 = 12通り

【STEP2】条件②「BとCが隣り合う」場合を引く(補集合の考え方)

なぜ引くのか? 条件②は「隣り合わない」という否定条件です。
「全体(条件①を満たす)」から「BとCも隣り合ってしまう場合」を引くと、
「AとBが隣り合い、かつBとCが隣り合わない」場合だけが残ります。
4
A・B・CがA-B-CまたはC-B-Aの順で連続する場合を数える

AとBが隣り合い、かつBとCが隣り合う → A-B-C または C-B-A の3人がひとかたまり【ABC】または【CBA】として並ぶ場合。

ブロック内の並び方:「A-B-C」か「C-B-A」の2通り(Bが中央に固定される)

5
【ABC】・D・E の3つの円順列を計算
(3−1)!= 2!= 2通り
6
BとCも隣り合う場合の合計
2!× 2 = 2 × 2 = 4通り

【STEP3】最終計算

(条件①を満たす)-(BとCも隣り合う)
= 12 − 4 = 8通り
答え
8通り
AとBが隣り合い、かつBとCが隣り合わない並び方
🎯初見での考え方(実況形式)
🔍 問題を見た瞬間の反応

「円形に並ぶ」→ 即座に円順列モード。誰か1人を固定する発想が頭に浮かぶ。
条件は2つ。「隣り合う」と「隣り合わない」が混在している。これが整理すべきポイントだとすぐ気づく。

📌 どの条件が重要か?優先順位は?

条件①「AとBは隣り合う」 → 肯定条件。これを先に処理する(ブロック化)。
条件②「BとCは隣り合わない」 → 否定条件。「〜でない」は直接数えにくいので、補集合で処理する方針を立てる。

🗂 整理の順序:どの順で解くか

① まず条件①だけ処理(AとBをブロック化)
② 次に条件②の否定=「BとCも隣り合う」場合を別に数える
③ ①から②を引く
この流れが最もシンプルで、ミスが少ない。

📐 何を固定するか・図をどう描くか

円順列では「ABブロックを固定して残り3つを回す」イメージで図を描く。
円に5つの席を書き、ABブロックをセットで置き、C・D・Eの位置を回していくと直感的に確認できる。

【図をここに挿入】
ABブロックを固定した円形配置のイメージ(C,D,Eが動く)
🏷 どの単元として見るか

円順列 × 隣接条件の組み合わせ」という単元認識が大事。
隣り合う条件 → ブロック法、隣り合わない条件 → 補集合法、この2本柱で解く。
どちらか一方しか知らない受験生は途中で止まる。

🧭なぜその方針を選ぶのか
方針 有効性 コメント
ブロック法(採用) ◎最適 「隣り合う」を最もシンプルに処理できる。計算量が最小。
全列挙 24通りを手書きで列挙するのは時間がかかり、ミスの温床。
余事象(補集合)法(採用) ◎最適 「隣り合わない」は直接数えると場合分けが複雑。引き算の方が圧倒的に楽。
Cの位置で場合分け △可 できるが、場合分けの数が増えてミスが起きやすい(別解として後述)。
「計算ではなく比で見る」は今回どこで活きるか? 今回は人数が少ないため比よりも直接計算が有効ですが、「全体から引く」発想は「全体比-NG比」という比の感覚と同じです。ここを意識すると、大きな問題でも応用できます。
なぜ場合分けせず補集合で解くのか 「BとCが隣り合わない」を直接数えようとすると、BとCの間に何人いるか(1人、2人、3人)を場合分けする必要があります。さらに円の形状で場合がからみ合うため、非常に複雑になります。補集合で引く方が圧倒的に速く、正確です。
⚠️典型ミス
⚠️ ミス① ブロック内の並び方を忘れる
ABブロックを作ったとき、A-B と B-A の2通りがあることを忘れて、×1のままで計算してしまう。
→ 12通りではなく6通りと誤答する。
「ブロック」と書いたのに中身の並び方を忘れるのは、「ブロック=1つの人」と無意識に思い込むため。ブロックを作るたびに「中身の並び方は?」と確認する習慣をつける。
⚠️ ミス② 引くべき場合の設定を誤る
「BとCが隣り合う場合」を引くとき、A-B-C の連続だけでなく C-B-A(逆順)も数え忘れる、または逆にC-B-AをA-B-Cと同じと勘違いして1通りにしてしまう。
円の方向性(時計回り・反時計回り)と、ブロック内の順序が混乱するため。「B-Cが隣り合う」とはC-B の配置も含む、という確認が必要。
⚠️ ミス③ 円順列の基本式を間違える
n人の円順列を (n−1)!ではなく n!で計算してしまう。
→ 「全列」と「円列」を混同している。
「誰か1人を固定する」という円順列の本質を理解していないまま公式だけ暗記しているため。何人固定するかで式が変わるとわかれば防げる。
⚠️ ミス④ 引く数の円順列を正しく計算しない
「ABCブロック+D+E」の3つの円順列を (2)!=2通りと正しく計算できるが、ブロック内の並び方(2通り)をかけ忘れる
→ 4通りではなく2通りと計算してしまう。
STEP1と同じミスが繰り返されるパターン。引く側でも「ブロック内の並び方を必ずかける」という確認を忘れない。
⚠️ ミス⑤ 全体から引く対象をずらす
「全体の円順列24通り」から引いてしまう。
正しくは「条件①を満たす12通り」から引かなければならない。
補集合の「全体」が何かをあいまいにしたまま計算するため。「何を全体にして何を引くのか」を最初に言語化する癖をつける。
🔄別解
🔷 別解:Cの位置で場合分けする方法

ABブロックを固定し、残りの3席にC・D・Eを並べる。
ABブロックの固定により、円の3席を左・正面・右として区別できる。

Cが「ABブロックと隣接しない席(正面の1席)」に座る場合:
C の位置:1通り、残りD・E:2!=2通り、ABブロック内:2通り → 1×2×2 = 4通り

Cが「ABブロックと隣接する2席のうち、Bの隣でない席(Aの隣)」に座る場合:
C の位置:1通り(Aの隣のみ)、残りD・E:2!=2通り、ABブロック内:2通り → 1×2×2 = 4通り

合計:4 + 4 = 8通り

【図をここに挿入】
ABブロック固定時のCの配置(隣接席・非隣接席の区別)
🏆 本番でおすすめの解法・ミスしにくい解法

本解説のメイン解法(ブロック法+補集合)が最もおすすめです。
理由:計算量が少ない・場合分けが1段階・思考の流れが明快。
別解の「Cの位置で場合分け」は図を描けば確実ですが、「どの席がBの隣か」を 慎重に確認する必要があり、図なしでやるとミスが出やすいです。

速い解法:メイン解法(12−4=8)
ミスしにくい解法:別解(図を描いてCの席を目視確認)

🏅開成で差がつくポイント
🎓 この問題で本当に見られている力

「隣り合う」「隣り合わない」という2種類の条件を別々の道具(ブロック法・補集合法)で使い分けられるかを見ています。どちらか一方しか知らない受験生は確実に詰まります。

📊 どこで差がつくか

最大の差は「引く対象の設定」です。全体の24通りから引くのか、12通りから引くのかで答えが変わります。補集合の「全体」を正確に設定できるかどうかが合否を分けます。

✅ 合格者はどう整理するか

合格者は条件に優先順位をつけて処理順を決め、「条件①処理→条件②処理(補集合)」と頭の中で段取りを組んでから計算を始めます。答案に「条件①満たす→条件②違反引く」という流れが明示されています。

❌ 不合格者はどこで止まるか

多くは「BとCが隣り合わない場合を直接数えようとして場合分けが爆発する」パターン、または「ブロック内の並び方を忘れて半分の答えを出す」パターンで止まります。

🔑 開成特有の思考ポイント

開成の問題は「複数の条件が絡み合う」設計が多く、条件を一気に処理しようとすると詰まります。合格者は「1条件ずつ丁寧に処理し、干渉する部分を後から調整する」という思考順序を持っています。本問はその典型です。

💡この問題から学ぶべきこと

【本質】 この問題の本質は「条件の種類によって処理の道具を使い分ける」という訓練です。 肯定条件(隣り合う)→ブロック法、否定条件(隣り合わない)→補集合法、という対応は、 場合の数全般で使える基本パターンです。

【他問題への応用】 ・「特定の人が隣り合わない」問題全般(円・直線どちらでも)
・「特定の2人が両端にならない」直線順列
・「AとBが同じグループに入らない」組み合わせ
・これらすべてで「補集合=全体から違反を引く」思考が使えます。

【今後どう活かすか】 条件問題を見たら、まず「この条件は肯定か否定か?」を分類する習慣をつけましょう。 肯定条件を先にブロック化・固定化し、否定条件は後から補集合で処理する、 この2段階処理がマスターできれば、開成レベルの場合の数はほぼ対応できます。

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