東京の路地裏を棲家にする一匹の野良猫がいる。そこは30年以上夫婦で食堂をやっているお店の路地裏である。いつの頃からか残飯目当てで野良猫が棲みついたのだ。そのお店は流行るほどのお店ではないが潰れるほど不人気なわけでもない。夫婦2人が生活していくくらいなら何とかやっていけるほどのお店である。近くにはチェーン店が立ち並び、この30年で入れ替わったお店は数多い。にも関わらずこのお店が30年以上続いた理由は何だろうか。
ある出版社がこのお店に目をつけ、取材で夫婦に理由を尋ねてみたが、返ってきた答えは「ただ運が良かっただけ」。それではさすがに記事にならないということで、この路地裏の野良猫に聞いてみた。
野良猫「このお店の料理は不自然な匂いがしないから僕の口にとても合うんだよ。僕も東京での生活が長いから色んなお店の残飯を食べてきたけど、不自然な匂いのある残飯が多かったね。農薬だか防腐剤だか知らないけど、ああいうのに人間は抵抗がないのかね?僕の方がよほどグルメで舌が肥えているんじゃないか?」
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